
窒素ガス発生装置は廃棄する?リユースする?
工場の統廃合、設備更新、ライン縮小の現場で、高額な設備であるにもかかわらず「価値がない」と誤解されがちな機械——それが窒素ガス発生装置(N₂ジェネレーター)です。
窒素ガス発生装置は、化学・食品・エレクトロニクス・溶接・リチウム電池など多くの業界で使われていますが、撤去時には次のような誤判断が頻繁に起きています。
- 「窒素ガスボンベに切り替わったから廃棄でいい」
- 「年式が古いし使い道がないだろう」
- 「解体業者が一括処分してくれるから任せてしまおう」
- 「ガス系は危険なので触りたくない」
しかし実際には、窒素ガス発生装置は中古市場の需要が非常に高い設備であり、状態が良ければ30万円〜300万円以上の査定が付くケースも珍しくありません。
しかも、高額品であるにもかかわらず、撤去現場では「スクラップ扱い」で処分されることも多く、
誤廃棄による損失額が極めて大きい設備の一つです。
本記事では、経営者・工場責任者の方向けに、
「窒素ガス発生装置を最も高く、最も安全に処分する方法」を体系的に解説します。
1. 窒素ガス発生装置の中古について
窒素ガスは多くの工場で必須の資源です。酸化防止、食品充填、レーザー加工、半導体工程、不活性化、タンクブランケティングなど用途は極めて広く、
工場の“インフラ設備”の一部と言えます。
N₂ジェネレーターが高額資産になる理由は以下の通りです。
- 新品価格は100万円〜1,000万円以上と高額
- 消耗が少なく、10年以上使用できる
- フィルター交換やメンテナンスで再利用できる
- 高圧ガス保安法の対象外になるため使いやすい機種も多い
- 海外需要が強い(東南アジア・インド・中東など)
- エアーコンプレッサーとの組み合わせで再販しやすい
特に、
- PSA方式(Pressure Swing Adsorption)
- 膜分離方式
- 高純度仕様(99.9%前後)
などの機種は中古価格が安定しており、高額査定につながりやすい設備です。
2. 中古市場で需要が高いメーカー・型式
国内外問わず、以下のメーカーは買取価格が安定しています。
国内メーカー
- オリオン機械(ORION)
- SMC
- 荏原(Ebara)
- コフロック(Kofloc)
- 三井精機(エアドライヤーとのセットなど)
海外メーカー
- Parker
- Atlas Copco
- Hitachi(海外モデル)
- Inmatec(ドイツ)
特に需要が高いのは以下の仕様です。
- 高純度タイプ(99.9%前後)
- 1〜5Nm³/h の工場用汎用モデル
- 食品工場向けオイルフリー仕様
- コンプレッサー一体型モデル
- 年式10年以内
これらは中古として「すぐに売れる」ため、
解体前に必ず査定すべき設備といえます。
3. 高額査定になる装置の特徴
査定額が大きく変わるポイントは以下です。
(1)高純度モデル
食品・半導体用途では純度が重要で、
99.9%の高純度仕様は特に高額になります。
(2)PSA方式は常に人気
膜分離方式に比べ、高純度が出せるPSA方式は、
中古価格が高くなりやすい方式です。
(3)コンプレッサー一体型は海外で特に人気
東南アジアなどでは「そのまま使える一体型」が圧倒的に需要があり、
コンプレッサー+ドライヤー+N₂ジェネレーターの一体構成は、非常に人気が高い構成です。
(4)メンテ履歴があると評価が高い
フィルター交換履歴や定期点検記録が残っていると、
「大切に使われていた設備」として信頼性が上がり、査定にプラスになります。
(5)設置環境が良かった設備
屋外設置で風雨にさらされている設備よりも、
室内設置・防錆環境で稼働していた設備のほうが評価は高くなります。
4. 廃棄と売却の「価格差」を試算
窒素ガス発生装置は重量があり、構造的にもスクラップ価値は低く、
廃棄すると“コストがかかる側の設備”です。
誤廃棄した場合の金額例(大型PSA 5Nm³/hクラス)
スクラップとして処分した場合
- スクラップ:0〜5,000円程度
- 撤去作業費:5〜15万円
- 産業廃棄物処分費:数万円
➡ トータルで「お金を払って処分する」ことになります。
中古売却した場合
- 買取価格:80万〜250万円(仕様・年式・状態により変動)
➡ 差額:最大250万円以上の機会損失となる可能性があります。
つまり、処分方法を誤るだけで、
100万円以上の利益を捨てる可能性がある設備ということです。
この価格差は、多くの経営者が見落としているポイントです。
5. 処分時に注意すべき「法規制」
窒素ガス発生装置の処分では、以下の法規制やリスクに注意が必要です。
(1)産業廃棄物扱いになるケースがある
フィルターや内部残留物の種類によっては、
「産業廃棄物」扱いになる場合があります。
これは排出事業者責任の対象であり、
廃棄すればコストが発生するだけでなく、
処理方法を間違えると行政指導のリスクもあります。
(2)冷凍機付きモデルは「フロン回収義務」の対象
エアドライヤー一体型の機種では、
フロン排出抑制法に基づくフロン回収義務が発生します。
未回収のまま廃棄すると「違法」となり、
工場側に責任が及ぶ可能性があります。
(3)過去に使用された媒体に要注意(PCBの可能性)
古い工場や旧設備で、過去に別用途で使われた配管・タンク・油などに
PCBが混入している可能性がゼロではありません。
PCBは処理費用が非常に高額(数十万円〜)であり、
安易に廃棄すると工場側が大きなコストを負担することになります。
6. 高額売却を実現するポイント
査定前に、以下の情報を揃えておくと評価が上がりやすくなります。
(1)銘板の写真(メーカー・型式・年式)
銘板のアップ写真が1枚あれば、概算査定が可能です。
メーカー名・型式・製造年・圧力・吐出量・純度などが読み取れる写真があるとベストです。
(2)純度(%)・吐出量(Nm³/h)の情報
窒素ガス発生装置の価値を決める最重要ポイントは、
「純度」と「吐出量(能力)」です。
カタログが残っていれば理想的ですが、銘板や仕様シールの写真でも十分です。
(3)付属設備の有無
以下の付属設備が残っていると、まとめて査定額が上がります。
- エアコンプレッサー
- レシーバータンク
- エアドライヤー
- フィルターユニット
「窒素だけ」よりも、「空気源+窒素一式」として売却できるほうが、再販しやすく高額査定につながります。
(4)設置位置(屋内/屋外/屋上/地下ピット)
搬出難易度は買取価格にも影響します。
屋上・ピット・狭所設置などの場合は、事前に写真で状況が分かると、
撤去費用やリスクも含めた現実的な提案が可能です。
7. 海外需要が高い国
窒素ガス発生装置は、海外での需要が特に強い設備です。主な輸出先としては、
- ベトナム(食品工場・電子部品)
- タイ(製造業全般)
- インドネシア(食品・化学)
- インド(医薬・溶接・一般工業)
- UAE / サウジアラビア(石油化学・ガス産業)
海外は新品が高価なため、
日本の中古品は「高品質・割安」として非常に人気があります。
8. まとめ|窒素ガス発生装置はリユースをご検討下さい
窒素ガス発生装置は、
- 新品が高額
- 中古需要が安定している
- 海外需要が特に強い
- 廃棄すると産廃コストがかかる
- 売却すれば数十万〜数百万円の価値がある
という「誤廃棄で最も損をする設備」の代表です。
特に、PSA方式・高純度モデル・コンプレッサー一体型は、
非常に高額査定になる可能性がある機種です。
廃棄前に「とりあえず写真を撮って査定」するだけで、
100万円以上の損失を防げるケースは決して少なくありません。
買取のご相談は、撤去予定日の“前”に行うことが重要です。
搬出計画も含め、最も高く安全に処分できる方法をご提案いたします。