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EV化で仕事が消える!?町工場に迫る内燃部品需要急減の現実

最近、「エンジン部品の仕事が急に減ってしまった」という声を、以前にも増して多く聞くようになりました。

かつては内燃機関部品の大量受注で工場を支えていたのに、今では仕事が細り、将来への不安が広がっているのではないでしょうか。

この不安の背景にあるのは、自動車業界全体のEV(電気自動車)シフトです。これは一過性のトレンドではなく、日本のモノづくりを根底から変える、避けられない構造変化です。

経済産業省の発表によれば、2035年には国内で販売される新車のほぼすべてが電動車になるとされています。つまり、従来のエンジン部品需要は確実に、そして急激に縮小していくのです。

この波はすでに始まっており、「まだ大丈夫だろう」と傍観している時間はありません。今こそ、過去の成功体験から脱却し、未来の市場を見据えた「生き残り戦略」を練り直す時です。


EV化がもたらす「部品点数4割減」の衝撃

EVシフトが町工場にもたらす影響は、単なる「受注量の減少」にとどまりません。

それは、産業構造そのものの激変を意味します。


「主力製品がなくなる」という現実

内燃機関(ガソリン車・ディーゼル車)は、エンジンやトランスミッションといった数万点の複雑な部品で構成されています。

これに対し、EVはそれらの部品が不要になり、構成部品数が大幅に削減されます。

国立研究開発法人・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査では、EVはエンジンやトランスミッションといった複雑な部品が不要となり、構成部品数が3~4割減少する可能性が示されています。

これまでシリンダーブロック、クランクシャフト、ピストンリング、バルブなどを製造していた工場にとって、これは文字通り「主力製品がなくなる」ことを意味します。


廃業・倒産の増加と部品調達の再編

需要減少の波はすでに企業の存続を脅かしています。

帝国データバンクの調査によれば、2020年代に入ってから自動車部品関連企業の廃業や倒産件数が増加しており、その多くが「需要減少」や「設備投資負担」を理由に挙げています。

自動車メーカー各社はEV開発に注力する中で、部品調達先を再編し、EV特有の軽量化高電圧対応ができるサプライヤーへと切り替えを進めています。

EV化は単なる技術変化ではなく、「EVに対応できない部品を作っている工場は不要になる」という、極めてシビアな現実を突きつけているのです。


「新分野への転換」を成功させるための視点

受注減少に直面した工場にとって、この危機を乗り越える唯一の道は「新分野への転換」です。しかし、「言うは易く行うは難し」です。転換を成功させるために、どのような視点を持つべきでしょうか。


既存技術を活かせる分野を見つける

すでに一部の町工場は、この波をチャンスに変えようと動いています。

  • EV部品: モーター部品の精密加工、バッテリーケースのアルミ部品加工、冷却装置用の高精度部品など、EV時代に需要が拡大する分野。
  • 高付加価値産業: 航空宇宙産業、半導体製造装置、医療機器など、既存の精密加工技術(ミクロン単位の精度、難削材加工)が求められる分野。

中小企業庁のデータによれば、異業種転換に取り組んだ企業の約3割が「新しい顧客層を獲得できた」と報告しています。

この成功の鍵は、「全く新しい分野にゼロから挑戦する」のではなく、「内燃部品で培った高い精密加工技術を必要とする分野」を見つけることです。


新分野への参入が抱える大きな壁

もちろん、転換は簡単ではありません。新分野への参入には、以下の大きな壁が立ちはだかります。

  • 技術の習得と認証取得: 航空宇宙や医療分野では、特殊な認証や品質管理基準の習得が必須です。
  • 高額な設備投資: 新分野に対応するための5軸加工機複合加工機、あるいは高精度な測定設備の導入が必要になります。

しかし、「今のままでは先細りになる」という危機感が、工場を新しい挑戦へと駆り立てています。重要なのは、「いつか」ではなく「今すぐ」この転換を計画的に始めることです。


設備整理が未来の競争力を生む「資産シフト」戦略

新分野への転換には、数千万円単位の高額な設備投資が必要です。

問題は「わかってはいるけど資金がない」という点でしょう。この資金問題を解決し、転換を加速させるのが、戦略的な「不要設備の整理」です。


不要な設備を「未来への投資資金」に変える

内燃部品需要が減る中で、エンジン部品専用の機械や、特定の加工しかできない汎用機が遊休化していませんか?これらの古い機械を維持していても費用ばかりかかり、現場スペースも圧迫する負の資産です。

これを売却し、その資金を新分野対応のための設備投資に回す。この「資産シフト」こそが、工場にとって現実的な生存戦略なのです。

日本政策金融公庫の調査でも、近年は「設備売却資金を新規投資に充てる」ケースが増加していると報告されています。

単に設備を持ち続けるのではなく、時代に合わせて資産を入れ替えることが、限られた資源を有効活用する鍵となります。


補助金を活用した「攻めの投資」

また、経済産業省の「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」といった支援施策も積極的に活用すべきです。

これらの補助金は、まさに「内燃部品からEV・航空分野への転換」といった、産業構造の変化に対応するための攻めの投資を後押しするためのものです。

不要設備を売却して自己資金を確保し、それに補助金を組み合わせることで、新分野への転換に必要な高額な設備投資を実現することが可能になります。


最後に:EV時代を生き抜く「工場の新しい姿」

内燃部品の需要は減少し続けますが、それが町工場の終わりを意味するわけではありません。

むしろ、このEVシフトは、「従来のやり方で稼げなくなった」工場が、真の強みである精密加工技術を活かして、新しい分野で大きく飛躍するチャンスでもあります。

未来を担う工場の姿は、以下の判断にかかっています。

  • 過去の延長で考えないこと: 減っていく内燃部品の仕事にしがみつくのではなく、増えていくEVや航空、半導体分野に目を向けること。
  • 資産を「流動化」すること: 遊休化した古い設備を負債として抱えるのではなく、売却して新しい未来への投資資金に変えること。

もし「エンジン部品の仕事が減ってしまった」と感じているなら、それは新しい未来への入口かもしれません。工場がどう変わるかは、今の選択にかかっています。

当社では、国内外の最新の市場動向を見極め、高年式・中堅年式の機械を高額査定する機械買取サービスを提供しています。

特に、3年落ちから15年落ち程度のCNC加工機は、次の投資資金を生み出す強力な資産となります。

このEVシフトという危機を、新たな市場への参入チャンスに変える。そのお手伝いをさせていただければ幸いです。まずは、お気軽にご相談ください。

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