
その装置、本当に「廃棄」して大丈夫ですか?
半導体業界では2024年以降、設備更新とライン再編が急激に進み、中古半導体装置の需要が過去最高レベルに高まっています。
ところが、多くの中小ファブ・大学・研究機関では
- 古いから価値がないと思っている
- メーカー保守終了で諦めている
- 解体業者に「産廃」と言われそのまま処分
- 周辺機器を先に捨ててしまい価値を落とす
こうした理由で、本来は売れる装置を“ゼロ価値で失う”ケースが多発しています。
実は、20年前の拡散炉、旧型ボンダー、故障品のテスターでさえ海外では普通に需要があるのです。
中古市場は、あなたが思っている以上に広く、「古くても、壊れていても、用途が合えば売れる」のが半導体装置の特徴です。
このページでは、はじめて装置売却を考える方でも
- どの装置が高価買取になりやすいか
- なぜ中古でも売れるのか
- 国内外の需要の違い
- 売却前に必ず押さえるポイント
を、わかりやすく“装置別”にまとめています。
もし、これから紹介する11種類のいずれかが工場や研究室に残っているなら、廃棄を決める前に、一度だけでいいので査定を受けることをおすすめします。数十万〜数百万円の差になるケースも珍しくありません。
前工程(ウェハプロセス)
1. 拡散炉の買取
中古拡散炉の市場価値について
拡散炉は、200mm/150mmクラスの成熟プロセスで今も現役の装置です。
国内ではパワーデバイス、センサー、アナログ系工場で継続利用され、海外ではアジア・インド・東欧向けに中古拡散炉のニーズが安定しています。
縦型・200mm対応の量産炉は特に評価が高く、研究室向けの小型炉も「研究用中古」の定番です。
代表的メーカー・シリーズ
- Kokusai Electric(旧 日立国際)縦型拡散炉
- アルバック系拡散炉
- Thermco/Centrotherm など欧州系炉
- 各種ラボ用小型炉メーカー
売却時チェックポイント
- ウエハーサイズ(150mm/200mm)
- 縦型か横型か、小型炉か
- ガス供給・排ガス処理設備が残っているか
- メーカー保守記録や改造履歴の有無
なぜ売れるのか
「構造が比較的シンプルで長寿命」「200mmラインが世界的にまだまだ現役」という2点が大きな理由です。古いからと即産廃にせず、まずは銘板と外観写真で査定に出す価値があります。
2. CVD / PVD(成膜装置)の買取
中古CVD / PVDの市場価値について
成膜装置は、どのデバイスにも必ず登場する基本工程であり、中古でも常に需要があります。
特にPVD(スパッタ)装置は、パワーデバイス・メタライゼーション・光学用途などで用途が広く、海外向けの引き合いも強いカテゴリです。
代表的メーカー・シリーズ
- CVD:東京エレクトロン(TEL)、Applied Materials、LAM、ASM
- PVD:ULVAC、Canon Anelva、Applied Materials など
- ラボ用小型スパッタ:ULVAC、サムコ など
売却時チェックポイント
- CVDかPVDか、その中でもどの用途向けか(酸化膜/バリア膜/メタルなど)
- 対応ウエハーサイズ(150/200/300mm)
- 真空ポンプ、RF電源、マッチングBOX、チラーなど周辺機器の有無
- チャンバー内の腐食・ダメージ具合
なぜ売れるのか
新品価格が高額でリードタイムも長いため、「状態の良い中古ならほしい」というユーザーが国内外に多い装置です。
本体だけでなく、RF電源・ポンプ類だけでも価値が出ることがあるため、安易に単体廃棄しないことが重要です。

3. リソグラフィ(露光装置・ステッパ)の買取
中古リソグラフィの市場価値について
露光装置は、前工程の中でもっとも高額で、もっとも慎重に扱われる装置です。
最先端EUVレベルになると中古市場はごく一部ですが、i-line/KrFクラスの200mmステッパは今も国内外で引っ張りだこです。
古い研究用ステッパも大学・R&D用途で流通します。
代表的メーカー・シリーズ
- Nikon(NSRシリーズ)
- Canon(FPAシリーズ)
- ASML 旧世代ステッパ/スキャナ
売却時チェックポイント
- ウエハーサイズ・波長(g-line/i-line/KrF/ArF)
- レンズ状態(曇り・クラック・汚れ)
- アライメント装置・制御PCの有無と状態
- 設置環境(クリーンルームクラス)
なぜ売れるのか
露光は「プロセスの心臓部」のため、中古を含め装置数の需要が常に存在します。
レンズ・ステージ・アライメント系だけでも部品価値があるため、解体前に必ず買取相談すべき装置の代表格です。
4. エッチング装置の買取
中古エッチング装置の市場価値について
エッチャー(ドライ/ウェット)は、ロジック・メモリだけでなく、MEMS・センサー・パワーデバイスでも多用されます。
特に200mm対応ドライエッチング装置は世界的に玉不足で、中古でも高い評価を得ることが多いです。
代表的メーカー・シリーズ
- ドライ:東京エレクトロン(TEL)、LAM、Applied Materials、Hitachi High-Tech など
- ウェット:SCREEN、TEL、海外ウェットベンチ各社
売却時チェックポイント
- ドライかウェットか、何工程向けか(Siエッチ/金属エッチなど)
- チャンバー数・ガスライン構成
- 真空ポンプ・RF電源の有無
- 腐食・コンタミ状況
なぜ売れるのか
プロセス開発や新興ファブの立上げで「中古エッチャー+プロセス開発」でスタートするケースが多いためです。
ガスラインをむやみに切断したり、ポンプだけ先に廃棄してしまうと価値が落ちるので要注意です。
5. ウェットステーションの買取
中古ウェットステーションの市場価値について
ウェットステーション(ウェットベンチ)は、洗浄・エッチング・レジスト剥離など薬液処理の万能選手です。
200mm/150mmラインや研究室では今も主力で、「古いがまだ使える」装置として中古市場で根強い需要があります。
代表的メーカー・シリーズ
- SCREEN、TEL など国内大手
- AP&S、Semes など海外ウェットベンチメーカー
- ラボ向け小型ウェットベンチ各種
売却時チェックポイント
- 対応ウエハーサイズと枚数(カセット本数)
- 用途(酸洗浄、アルカリ洗浄、剥離など)
- 薬液槽の腐食・クラックの有無
- 排気・スクラバー・配管がどこまで一体か
なぜ売れるのか
新品で導入すると設備+排水処理+工事で高額になるため、「中古をベースに据え付け直したい」というニーズが多い装置です。
薬液を抜き、簡易洗浄をしてから査定に出すと状態評価がしやすくなります。

6. イオン注入装置の買取
中古イオン注入装置の市場価値について
イオン注入装置は、拡散と並ぶ“不純物導入”の要であり、装置単価も高いカテゴリです。
Varian系・Axcelis系の200mmクラスは世界中で使用されており、中古市場でも人気があります。
代表的メーカー・シリーズ
- Varian/Applied Materials(VIIStaシリーズなど)
- Axcelis(GSDシリーズ・Purionシリーズ)
- 日新イオン機器(NISSIN)各シリーズ
売却時チェックポイント
- 中電流/高電流/高エネルギーの別
- 対応イオン種、エネルギーレンジ
- 高圧電源・ビームライン・真空系の状態
- ガス系・高電圧の安全な停止手順
なぜ売れるのか
「供給できるメーカーが限られる」「新品が非常に高額」という要因から、中古でも動作品・部品取りともに価値が出やすい装置です。
解体業者に先に触らせず、必ず専門業者経由で停止・撤去フローを組むべき装置といえます。
後工程(アセンブリ)
7. ダイシングソーの買取
中古ダイシングソー(ダイサー)の市場価値
後工程でウエハーをチップに切り分けるダイシングソーは、規模を問わず後工程ラインの要です。
ディスコ(DISCO)製ソーは中古市場でも圧倒的なシェアと人気を持っています。
代表的メーカー・シリーズ
- DISCO:DF/DADシリーズ ほか
- Accretech(東京精密)ダイサー各種
- ガラス・セラミックス向け専用機メーカー
売却時チェックポイント
- 対応ウエハーサイズ・材料(Si/ガラス/サファイアなど)
- スピンドルの状態、XYステージのガタ
- スピンドル数・自動化レベル(オートローダー有無)
- コレット・チャックテーブル・治具の有無
なぜ売れるのか
後工程は「中古から始める」事例が多く、その入口がダイシングソーだからです。
ブレードや治具だけでも需要があることがあるので、付属品を捨てずに一括で査定に回すのがポイントになります。
8. ダイボンダーの買取
中古ダイボンダーの市場価値について
ダイボンダーは、チップをリードフレームや基板に実装する装置です。
パッケージング形態の多様化で仕様はさまざまですが、汎用性の高い機種は中古市場でも人気があります。
代表的メーカー・シリーズ
- ASMPT(旧 ASM)ダイボンダー各シリーズ
- Shinkawa/ハイテック系ボンダー
- 日系・台湾系の汎用ダイボンダー
売却時チェックポイント
- 対応パッケージ(QFN/SOP/パワーモジュールなど)
- 搬送方式(トレイ/リードフレーム/ウェハー)
- エポキシ吐出・フリップチップ対応の有無
- 視覚認識系(カメラ)の状態
なぜ売れるのか
EV・車載向けパワーモジュールや産業機器向けモジュールの増加により、パワー系ダイボンダーの需要が特に伸びています。
「用途が合えばすぐ欲しい」装置の典型なので、仕様情報をできるだけ細かく伝えるとマッチングしやすくなります。

9. ワイヤーボンダーの買取
中古ワイヤーボンダーの市場価値について
ワイヤーボンダーはパッケージング工程の王道装置で、中古市場でもっとも需要が安定している装置の一つです。
ボールボンダー・ウェッジボンダー・太線ボンダーなど、用途によって評価は変わりますが、「ワイヤーボンダーは基本的に捨てる前に必ず査定」と言えるほどです。
代表的メーカー・シリーズ
- Kulicke & Soffa(K&S)各シリーズ
- ASMPT ボールボンダー各種
- Shinkawa/ハイテック ワイヤーボンダー
- Hesse など太線ボンダー各社
売却時チェックポイント
- ボール/ウェッジ/太線の別
- 対応ワイヤー径と材料(Au/Al/Cu)
- 自動/手動、ターゲットパッケージの種類
- ツール・クランプ治具・キャピラリーの有無
なぜ売れるのか
後工程ラインを「低予算で立ち上げたい」層が国内外に多く、中古ワイヤーボンダーはその中心的存在だからです。
故障していても部品取り需要があることが多いので、不動品でもまずは相談する価値があります。
10. 実装機(チップマウンター)の買取
中古チップマウンターの市場価値について
実装機・マウンターはプリント基板実装の主力装置で、後工程・周辺工程として半導体工場でも使われます。
半導体専業ではなくEMS・電子機器メーカー側の需要も取り込めるため、中古市場の裾野が広いカテゴリです。
代表的メーカー・シリーズ
- Panasonic、Yamaha、Fuji、JUKI など主要SMTメーカーの中高速マウンター
- 小型・試作向けマウンター各種
売却時チェックポイント
- 対応基板サイズ・部品サイズ
- トレイ/リール対応状況、ノズル・フィーダーの本数
- 搬送/位置合わせ精度
- 付属フィーダーの数量と状態
なぜ売れるのか
「半導体+電子機器側」の両方から引き合いが来るため、需要母数が大きいことがポイントです。
マウンター本体だけでなく、フィーダー単体にも中古価値が出ることがあります。
11. 半導体テスターの買取(メモリ・SoC・ミックスドシグナル)
中古半導体テスターの市場価値について
半導体テスターは装置単価が非常に高い一方で、世代交代も激しい装置です。
しかし、旧世代テスターでも「対応デバイスが現役である限り」中古市場で需要が続きます。
代表的メーカー・シリーズ
- Advantest(T5xxx/T6xxx 系など)
- Teradyne 各種 SoC/ミックスドシグナルテスター
- メモリ専用テスター各種
売却時チェックポイント
- 対応デバイス(DRAM/フラッシュ/SoC/アナログなど)
- テストヘッド・ハンドラ・プローバとの組み合わせ
- ソフトウェアライセンス/オプションの状況
- サポート終了状況と実稼働台数
なぜ売れるのか
テスターは「デバイスに合わせて長く使われる」ため、特定デバイスの生産が続く限り、中古でも需要があります。
本体だけでなく、テストヘッドや一部モジュールだけでも価値が出るケースが多い装置です。

中古半導体装置の買取ならご相談を
ここで挙げた11種の装置は、いずれも中古半導体装置市場で
「売却価値が付きやすい」「海外も含めて出口が多い」カテゴリです。
共通して言えるポイントは次のとおりです。
- 古くても・故障していても、部品取りまたは海外向けで需要があることが多い
- 周辺機器(ポンプ・電源・治具・フィーダー等)をセットで残しておくほど評価が上がる
- 解体・配線切断・単体廃棄を先に進めると、価値が大きく下がる
はじめて設備売却を検討する工場長・経営者の方こそ、
「産廃の見積もりを取る前に、銘板と全体写真を撮って買取相談」
これを一つのルールにしておくと、無駄な処分コストを大きく減らせます。
どの装置がいくらになるかはケースバイケースですが、
少なくとも本ガイドの「高価買取11選」に入っている装置については、
捨てる前に一度、中古装置の専門業者に査定を依頼してみてください。
それだけで、数十万〜数百万円単位の差になることも、決して珍しくありません。
実際に半導体製造装置の買取をお考えの方は下記からお問合せ下さいませ。