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【ウェットステーション買取】半導体製造装置売却ガイド

半導体工場の閉鎖や設備更新、研究テーマの終了、あるいは解体現場の片付け作業——。
そのタイミングで突然目の前に現れるのが ウェットステーション(Wet Station / Wet Bench) です。

大きな薬液槽、複数のタンク、複雑な配管や排気ダクト……。
「これは何の装置?」「危険?」「どうやって処分するの?」「そもそも売れるの?」
多くの方が最初に抱くのは、そんな“不安と疑問”です。

実際、スタートアップ・大学・研究室の事務担当者・解体業者など、
装置の専門知識がない立場の方のところへ突然ウェットステーションが回ってくる ことは非常に多く、
「どう扱えばいいのか分からない」「価値があるのか判断できない」という声があとを絶ちません。

しかし、ここに朗報があります。

ウェットステーションは、半導体装置の中でも中古価値が残りやすい装置の1つ です。
古いモデルでも海外向けに需要があったり、薬液タンクや周辺設備だけでも買い手がつくなど、
スクラップにしてしまうのは非常にもったいないカテゴリなのです。

このガイド記事では、ウェットステーションの売却を初めて経験する方でも
「迷わず・失敗せず・安心して進められる」よう、重要ポイントを分かりやすく整理しました。


1. ウェットステーションの解説

● ウェットステーションとは

装置に詳しくない方のために説明します。ウェットステーションは、

  • ウエハー洗浄
  • エッチング(薬液による加工)
  • レジスト剥離(ストリップ)

などを行う 薬液処理専用のバッチ装置 です。
複数の薬液槽(フッ酸、アルカリ洗浄液、剥離液など)とリンス槽、乾燥機構を直列に並べ、
ロボットや搬送アームでウエハーを順番に処理していきます。

材質は クォーツ・PP・PVC・FRP などが多く、

  • 150mm/200mm向けのバッチ式ウェットステーション
  • 300mm向けの高スループット洗浄装置

が代表的です。SCREENのFCシリーズやWSシリーズ、コンパクトタイプなどが典型例です。screen.co.jp+2株式会社SCREEN SPE テック+2

● 代表的なメーカー(例)

  • SCREENホールディングス:ウェットステーション/ウェーハクリーナーの大手
  • 東京エレクトロン(TEL):オートウェットステーション、洗浄装置全般テル+1
  • Lam Research、SEMES、AP&S、MEI Wet Processing など:海外メーカーとして有名linx-consulting.com

正確なシェアは装置世代やサイズで変わりますが、
SCREEN・TELを中心とする日本勢と、Lam・SEMES・欧州系メーカーが大きなシェアを持っている
とイメージしていただければ大きなズレはありません。


2. ウェットステーションの中古市場と需要

ウェットステーションは、クリーン装置・エッチング装置の中でも中古需要が安定しているカテゴリ です。

● 国内の需要

  • 200mm・150mmラインを継続運用している既存ファブ
  • パワーデバイス・車載半導体・センサー工場
  • 大学・研究機関・R&Dライン
  • 試作ラインを持つスタートアップ

特に 200mm以下のウェットステーション は、
「新規で高価な装置を買うより、中古を賢く使いたい」工場からの需要が強く、
状態が良いものは国内だけで十分に売り先が見つかるケースも多いです。

● 海外の需要

  • 東南アジア(マレーシア、タイ、ベトナム):既存200mmライン増設用
  • 中国・台湾・韓国:メモリ/ロジック以外の汎用ライン
  • インド・中東・東欧:新興ファブ・OSATの立ち上げ用

海外では「多少古くても、薬液条件を詰めればまだまだ使える」という考え方が一般的で、
1990年代〜2000年代前半のウェットベンチでも輸出用として需要がある のが特徴です。


3. ウェットステーションの相場レンジ

ここでは具体的な金額ではなく、「どのような要素でレンジが変わるか」を整理します。

● 年式によるざっくりした傾向

  • 10年以内の装置
    → 自動化レベルが高く、薬液管理・省薬設計なども優れているため、高額帯になりやすい
  • 10〜20年クラス
    → 200mmウェットステーションであれば、国内外ともにまだまだ需要あり
  • 20年以上前
    → スクラップではなく、輸出や部品取り目的で取引されるケースも多い

● 仕様によるレンジの違い

  • 対応ウエハーサイズ(150mm/200mm/300mm)
  • バッチ式か、半自動か、フルオートか
  • タンク数(何槽構成か)、プロセスフローの柔軟性
  • メガソニック・オゾン・IPA乾燥などのオプション有無
  • ケミカル供給ユニット・廃液処理設備とのセットかどうか

同じ年式でも、「300mm×フルオート×ハイエンド仕様」と「150mm×簡易仕様」では、相場レンジが大きく変わる とお考えください。


4. 高額査定になるポイント

ウェットステーションで査定額を押し上げる代表的なポイントは以下の通りです。

● ① 新しめの世代(おおよそ10年以内)

  • 省薬・省エネ設計
  • ランニングコスト低減機能
  • 最新の安全基準への適合

などが評価され、国内でもそのまま再利用されやすいです。

● ② メジャーメーカー・人気シリーズ

メジャーメーカー品は「部品・ノウハウが豊富」で、
海外バイヤーも安心して仕入れられるため高評価になりがちです。

● ③ 200mm・300mmライン対応

  • 200mm → 既存ファブのリプレース・増設需要
  • 300mm → 大手・海外ファブ向けに輸出需要

150mm専用機でも、化合物半導体・パワーデバイス向けで需要が残っている場合があります。

● ④ 周辺設備が揃っている

  • ケミカル供給ユニット
  • 排気スクラバー
  • DI水供給ユニット
  • 排水中和設備とのセット など

「ライン一式で移設可能」と判断できると、評価が上がりやすくなります。

● ⑤ クリーンルーム内での使用・メンテ履歴

  • 内部が綺麗に保たれている
  • 腐食や漏えいの履歴が少ない
  • 定期点検・部品交換記録がある

といった点は、中古装置でも非常に重視されます。


5. 売却前チェックリスト

査定前に、最低限以下だけ押さえておけば十分です。

● 写真で押さえたいポイント

  1. 銘板のアップ写真
    → メーカー名/型式/製造年/製造番号 が読み取れるもの
  2. 装置全体の写真(前・斜め・後ろ)
  3. 薬液槽部分・乾燥部・操作パネル
  4. ケミカル供給ユニット・タンク類が分かる写真
  5. 排気ダクト・スクラバー等の外観(あれば)

● 文章で伝えたい情報

  • 動作状況:現在も稼働中/電源は入るが止めている/長期放置/故障内容 など
  • 設置場所:クリーンルームの階数、床の種類、周囲スペース
  • 搬出経路:扉の幅・高さ、エレベーターの有無、階段の有無

解体業者や事務担当の方でも、スマホで撮影して
「よく分かりませんが、写真を送ります」と言っていただければ、
こちらで読み解いていくことが可能です。


6. 周辺機器・付属品の価値

ウェットステーションは 本体以外の周辺機器にも価値がある装置 です。

● 価値が付きやすい周辺設備

  • ケミカル供給ユニット(薬液供給タンク・ポンプ類)
  • 排気スクラバー(薬液ミスト用スクラバー)
  • DI水製造装置(別置きの場合)
  • ドライユニット(乾燥専用モジュール)
  • モニタリング装置(薬液濃度・温度管理システム)

テンプレート上「真空ポンプ・RF電源・チラー」といった表現が入りますが、
ウェットステーションにおいては 「ケミカル/排気/水」の周辺設備が価値の中心 になります。

● これらは単体でも売れることがある

  • ケミカル供給ユニットだけ欲しい
  • スクラバーだけ更新したい

といったニーズもあるため、「周辺設備だけ先に解体・廃棄してしまう」のは非常にもったいない パターンです。


7. 買取時の注意点

ウェットステーション特有の注意点をいくつか挙げます。

● ① 配管・配線をむやみに切断しない

薬液配管・排水配管・排気ダクト・電源ケーブルなど、
後から再接続できないレベルで切断すると価値が下がる 場合があります。

解体業者さんに任せる前に、
「撤去方法は買取業者と相談してからにしたい」と一言伝えておくのがおすすめです。

● ② 薬液を抜くタイミング・処理方法

薬液が残っていると搬出ができませんが、
抜き方・洗浄方法によっては腐食や配管トラブルを招く ことがあります。

事前に「いつ、どの薬液を、どのように抜くか」を相談しながら進めると安全です。

● ③ 周辺設備を勝手に処分しない

前述の通り、ケミカル供給ユニットやスクラバーは一緒に売ると価値が高まります。
「邪魔だから先にスクラップへ」という判断は、査定後まで待つことをおすすめします。


8. よくあるトラブル事例と回避策

● 事例1:薬液を慌てて抜き、内部が腐食

解体スケジュールが迫り、現場判断で強アルカリや酸を適当に抜き洗いした結果、
タンク内や配管が激しく腐食してしまい、査定額が大きくダウンした例があります。

回避策:
「薬液の抜き方・フラッシング方法」は、事前にアドバイスを受けてから実施する。


● 事例2:ケミカルタンクやスクラバーを先に廃棄

本体だけ残して周辺設備をスクラップ処分してしまい、
「本当はライン一式なら高値で売れたのに、本体単体の値段しかつかない」
という非常にもったいないケースがあります。

回避策:
「周辺設備も含めて価値を判断してもらう」ことを意識し、
安易に廃棄しない。


● 事例3:搬出経路が想定外に狭く、追加費用が発生

現場で初めて「この廊下を通らない」「階段が急で台車が通らない」ことに気づき、
現地で解体工数が膨らんでしまったケースです。

回避策:
扉の幅・天井高・曲がり角・エレベーター有無を、
簡単で構わないので事前に測って伝えておく。


9. 搬出・撤去の注意点

ウェットステーションは「薬液+排気+水+電気」が絡む装置で、
搬出時の安全とクリーンルームルールの両方を守る必要 があります。

● クリーンルームの場合

  • 防塵服・専用靴の着用
  • 養生範囲の指定
  • 粉塵・薬液飛散対策
  • 作業時間帯の制限(他ラインへの影響配慮)

半導体装置の搬出経験が少ない重量屋さんだと、
クリーンルームのルールに戸惑うこともあります。

● 搬出経路と重量

ウェットステーションは、見た目以上に重量があります(薬液タンク含めると1t超も普通)。

  • 上階からの搬出
  • 狭い通路や低い天井
  • エレベーターのサイズ

などを事前に確認し、「一体搬出か、現場でモジュール分解が必要か」 を判断しておくことが重要です。


10. 故障・古い装置でも売れる?

Q. かなり古いウェットステーションですが、売れますか?
A. 1990年代〜2000年代前半の装置でも、海外向けや部品取りとして需要があることが多いです。

Q. 故障していても大丈夫ですか?
A. 「一部のタンクが使えない」「制御盤の不具合」などがあっても、
改造・修理前提で買いたいというバイヤーがいます。

Q. 薬液が残っている状態でも相談できますか?
A. もちろん可能です。どの時点で薬液を抜くべきかも含めて相談してください。

Q. メーカーの図面やマニュアルがありません。
A. 無くても査定は可能ですが、残っていればプラス評価になります。

Q. 解体現場から出てきて、型式も用途もよく分かりません。
A. 銘板と全体写真があれば、こちらで装置種別を特定できるケースがほとんどです。


11. 売却の流れ

初心者の方でも迷わないよう、シンプルにまとめます。

  1. お問い合わせ・写真送付
    • スマホで撮った写真をメールやチャットで送付
  2. 概算査定(相場レンジのご提示)
    • 年式・仕様・設置状況から、おおよそのレンジをお伝え
  3. 現地下見(必要な場合)
    • 搬出経路や薬液の状況も含めて確認
  4. 買取金額・条件の最終決定 → ご契約
  5. 搬出・撤去作業
    • クリーンルームルールや安全面も配慮して実施
  6. 入金
    • 通常は搬出完了後、当日〜数日以内にお振込み

まずはご相談を

  • 薬液装置だから危なそう
  • 古いからスクラップだろう
  • 解体業者に任せてしまったほうが楽

そう思ってしまいがちなカテゴリーですが、
ウェットステーションは中古でも需要が残りやすく、「思ったより高く売れた」というケースが多い装置 です。

  • 型式がよく分からない
  • 故障している
  • 周辺設備がバラバラに置かれている
  • クリーンルームからの搬出が不安

そんな状態でも構いません。
まずは 「銘板の写真」と「装置全体の写真」 をお送りいただければ、

  • おおよその相場レンジ
  • 国内・海外どちらに需要がありそうか
  • 最適な撤去・搬出の進め方

までまとめてご提案できます。

「とりあえず価値があるのかだけ知りたい」というご相談も歓迎です。
スクラップにする前に、一度ご相談ください。