
初心者でも失敗しないリソグラフィの売却マニュアル
半導体装置の中で 最も高額で、最も専門性が高い装置 と言われるのが、露光装置(リソグラフィ/ステッパ)です。
工場閉鎖・研究テーマ終了・設備更新・解体現場などで突然現れることが多く、
「これは売れるのか?」「メーカー名が読めない」「古くても価値がある?」
といった質問が最も寄せられる装置のひとつでもあります。
露光装置は非常に複雑で専門的。しかし中古市場では 世代に関係なく常に需要のある重要カテゴリ でもあります。
この記事では、初心者の方でも迷わず売却できるように、
装置の基礎 → 中古需要 → 査定ポイント → トラブル回避 → 搬出の注意点 → 売却フロー
まで、丁寧に解説します。
1. リソグラフィ(露光装置、ステッパ)とは?
露光装置(リソグラフィ)は、ウエハーに微細パターンを焼き付ける半導体製造の“心臓”とも言える装置です。
これがなければチップが作れないため、最も重要で、最も高額で、最も慎重に扱われる装置です。
代表的な種類は以下の通りです:
● ステッパ(Stepper)
ウエハーを一枚ずつ露光する方式で、研究室や中小ファブで多く使われる。
● スキャナー(Scanner)
量産向けの高速・高精度装置。最先端ノードで採用される。
◆ 代表的なメーカー
- Nikon(ニコン):ステッパ・スキャナーの世界的メーカー
- Canon(キヤノン):古い世代から300mm対応機まで幅広い
- ASML(オランダ):世界最大の露光装置メーカー(最先端EUVは独占的)
中古市場ではとくに Nikon と Canon のステッパが圧倒的に多い ことが特徴です。
ASMLは現行機が中心で中古流通は限定的ですが、200mmスキャナーなどは中古で動くことがあります。
2. 中古市場での需要(国内・海外)
露光装置は「古くても売れる」代表的な装置です。
■ 国内需要
- 200mmラインを継続する半導体工場
- MEMS・パワーデバイス工場
- LED・光デバイスメーカー
- 大学・研究室・スタートアップの試作ライン
特に Nikon i-line ステッパ、Canon FPAシリーズ などは人気が高く、
研究用途にも需要が絶えません。
■ 海外需要
露光装置の中古需要は海外のほうがさらに強く、
- 台湾・韓国・中国:既存ラインのリプレース、追加導入
- マレーシア・ベトナム・フィリピン:OSAT工場での安定需要
- インド・中東・東欧:新興ファブで中古装置が重宝される
とくに 150mm/200mm ステッパは世界的に慢性的な供給不足 です。
製造停止になった古いモデルでも、修理しながら使われるため価値が残ります。
3. 相場レンジのイメージ
露光装置は最も価格差が大きい装置です。
以下は「傾向」であり、具体的な金額ではありません。
● 年式による傾向
- 10年以内のステッパ/スキャナー:非常に高額
- 15〜20年クラス:国内外の200mmファブで強い需要
- 20〜30年前の古いステッパ:海外向けで依然として動く
- 30年以上前:研究用途・部品取りで需要が残る
● 仕様の違い
- 解像度(g-line / i-line / KrF / ArF)
- ウエハーサイズ(150mm / 200mm / 300mm)
- アライメント精度
- レンズ世代(NAの違い)
- ステッパかスキャナーか
イメージとしては、
「ArFスキャナー」>「KrF」>「i-line」>「g-line」
の順に市場価値が高くなりやすいです。
4. 高額査定になるポイント
露光装置は仕様と状態によって査定額が大きく変わります。
● ① 人気のメーカー・シリーズ
- Nikon NSRシリーズ
- Canon FPAシリーズ
いずれも中古市場の流通が多く、需要も強い。
● ② ウエハーサイズが 200mm / 300mm 対応
200mmステッパは常に引き合いがある“王道装置”。
300mm対応機はさらに需要が強く、輸出でも人気。
● ③ レンズ状態が良い
露光装置の価値の大部分はレンズが左右します。
- レンズの曇り
- クラック
- 汚れ
- 経年劣化
が少ないほど評価が上がります。
● ④ 付属設備が揃っている
- アライメントユニット
- ステージ
- 制御PC
- 純水配管ユニット
- チラー
- 真空ポンプ
欠品が多いと再稼働コストが上がるため査定に影響します。
● ⑤ メーカー保守記録が残っている
専門装置のため、保守履歴は非常に大きな価値になります。
5. 売却前チェックリスト
査定前に最低限以下を揃えれば問題ありません。
● 写真で送るべきもの
- 銘板(メーカー・型式・製造番号)
- 装置全体の写真(前・後・左右)
- レンズ周辺の写真
- 制御盤・PC・周辺設備
- 設置環境(クリーンルームの状況)
● 文章で伝える情報
- 現状の動作(稼働中/停止中/故障箇所)
- いつまで稼働していたか
- 搬出経路(扉幅・天井高・階段の有無)
- 設置階(1階 or 上階)
専門的な内容は不要です。
銘板写真があれば、装置の仕様はこちらで判別できます。

6. 周辺機器・付属品の価値
露光装置は「周辺機器の価値が非常に高い」装置です。
● 高評価につながる周辺機器
- 真空ポンプ(ドライ/ターボ)
- チラー
- 露光装置専用の電源ユニット
- アライメント用カメラ
- ペリクル関連ツール
- ステージ関連の治具
特に ステージ・レンズ・アライメント系 は中古で需要が強く、
付属しているだけで査定が大きく上がります。
7. 買取時の注意点
露光装置は“超精密装置”のため、以下は必ず意識してください。
● ① 分解・撤去を解体業者だけで行わない
レンズ・ステージは衝撃で簡単に破損します。
解体業者が無意識に動かしてしまうと、数百万円単位で価値が下がることも。
● ② 配線やホースを切断しない
制御ケーブルが切断されると再稼働が難しくなります。
● ③ 周辺機器を先に処分しない
露光装置は 本体+周辺機器のセット価値 が非常に大きい装置です。
● ④ クリーンルームの規則が厳しい
搬出業者がルールに不慣れだと搬出日が延びたり、作業が止まることがあります。
8. よくあるトラブル事例と回避策
● 事例①:解体業者が装置をずらしてレンズを破損
→ 回避:必ず装置専門の搬出業者を手配すること。
● 事例②:周辺PCを廃棄してしまい、制御不能に
→ 回避:PC・ソフトウェアは必ず保管。
● 事例③:ステージ固定ボルトを外さないまま運搬し、内部損傷
→ 回避:専門業者による輸送前の固定作業が必須。
● 事例④:搬出経路が狭く追加費用が発生
→ 回避:扉幅・天井高・曲がり角を事前確認する。
9. 搬出・撤去の注意点
露光装置は装置の中でもトップクラスに搬出が難しい装置です。
● 重量
本体だけで2〜5トン級、周辺機器を含めるとさらに増加。
● クリーンルームの制約
- 時間制限
- 養生ルール
- 振動禁止区域
- 帯電対策
これらを守らないと搬出できない場合があります。
● 上階設置の場合
階段・エレベーターでは降ろせず、
クレーン搬出や部分解体が必要になるケースも多い です。
10. 故障・古い露光装置でも売れる?(FAQ)
Q. 1990年代のステッパでも売れる?
A. はい。海外需要が強く、動けば高評価、動かなくても部品取り用に売れます。
Q. 故障して動かない場合は?
A. レンズ・ステージ・制御部が生きていれば需要があります。
Q. 型式が読めない・よく分からない
A. 銘板写真があれば特定できます。
Q. PCが古いが問題ある?
A. 古い制御PCでも、付いているだけで価値があります。
11. 売却の流れ(初心者でも簡単)
- 写真を送って問い合わせ(銘板+全体写真でOK)
- 概算査定(相場レンジを提示)
- 必要に応じて現地下見(搬出難易度の確認)
- 契約・価格確定
- 搬出・撤去(専門業者が対応)
- 当日または数日以内に入金
露光装置は最も高額な中古装置の一つなので、
査定〜搬出まで「プロの知識」が必須です。
まずはご相談下さい。
スクラップにする前に、一度ご相談ください。
- 古い
- 動かない
- 周辺機器が散らばっている
- 搬出が不安
- 装置かどうかも分からない
そんな状態でも問題ありません。
露光装置は中古でも価値が残りやすく、
“思わぬ高額になる” ケースも珍しくありません。
まずはスマホで 銘板写真と全体写真 をお送りいただければ、
相場レンジや最適な売却方法をご提案いたします。