
半導体工場の閉鎖、研究テーマの終了、設備更新、あるいは解体現場から排出された装置などで、
「この ダイシングソー・ダイサー(Dicing saw) は売れるの?中古価値はある?」
と悩む方が増えています。
ダイシングソーは、ダイサーともダイシングマシンとも言います。この装置は後工程装置の中でも需要が高く、中古市場では常に動きがある代表的なカテゴリです。
この記事では 初心者でも迷わず売却できるように、相場感・需要・注意点・チェック項目・搬出ポイント までまとめました。
1. ダイシングソーとは?
ダイシングソーとは、ウエハーやガラス基板を「チップサイズに切断(ダイシング)」するための装置です。
主に使用されるメーカーは以下の通りです。
- DISCO(ディスコ):DF/DFDシリーズ、APシリーズなど
- 東京精密(Accretech):KNS/UFシリーズなど
- S-DECK、ADT(Advanced Dicing Technology) など海外メーカー
レーザー方式・ブレード方式など構造は様々ですが、共通するのは「精密切断を行うための高精度装置」という点です。
初心者の方でも「精密切断機=価値が落ちにくい装置」と覚えておけば問題ありません。
2. ダイシングソーの中古市場と需要(国内・海外)
ダイシングソーは 中古需要が非常に安定している装置 の一つです。理由は以下の通りです。
● 国内需要
- 中小の半導体工場・電子部品工場の増設
- 大学・研究室・スタートアップでの小ロット試作
- 精密加工メーカーの増産対応
とくに DISCO製のDFDシリーズ は国内での人気が強く、中古でも早く成約しやすい傾向があります。
● 海外需要
中古ダイサーは、アジア圏での需要が極めて強いです。
- 台湾・韓国・中国:量産ライン向け
- 東南アジア(マレーシア、シンガポール、ベトナム):工場拡張
- インド・中東:新規の半導体設備導入
特にアジアの中堅ファブでは「中古装置+パーツだけ新品」という組み合わせが多く、
古いモデルでも需要がある点が大きな特徴です。
3. ダイサーの相場レンジ(年式・仕様別の目安)
※具体的な価格ではなく「傾向」で説明します。
● 相場の目安(傾向)
- 新しめのDFDシリーズ:比較的高額で取引されやすい
- 2000年代前半モデル:状態がよければ値段がつく
- 1990年代モデル:海外向けで需要あり(特に部品取り含む)
- 壊れている個体:パーツ目的で需要が出ることもある
● 仕様による差が大きい
- レーザーダイシングかブレード式か
- スピンドル仕様
- カメラ(アライメント)性能
- 複数スピンドル搭載モデル
初心者が迷ったときは 「型式」と「銘板の写真」 があれば、ほぼ相場レンジを推定できます。
4. 高額査定になるポイント
ダイシングソーは仕様差で価格が大きく変わります。以下に「高額になりやすい特徴」をまとめます。
● ① 年式が新しい(2010年以降)
電子部品の微細化により、新しい世代の装置ほど需要が強い傾向があります。
● ② DISCO製(DFDシリーズ)
中古市場で特に人気があり、海外のバイヤーも常に探しています。
● ③ 良好なメンテナンス履歴がある
定期点検のログやパーツ交換履歴があると高評価。
● ④ 周辺機器が揃っている
- チラー
- 真空ポンプ
- RF電源
- スピンドル
- 替刃ホルダー/治具
特に 純正治具 は高額評価のポイントです。
● ⑤ クリーンルーム保管
半導体装置において「保管環境=価値」と言われるほど重要です。

5. ダイサー売却前チェックリスト
問い合わせ前に以下の写真を揃えると、査定がスムーズで正確になります。
● 必須写真
- 銘板(メーカー・型式・年式)
- 全体写真(前面・側面・背面)
- コントローラー/操作盤
- チラー・真空ポンプなど周辺機器
● あると良い情報
- 動作状況(稼働中/電源は入る/故障内容)
- 搬出経路(扉幅・天井高さ・階段・クリーンルームの区画情報)
- 保守履歴の有無
- 設置場所の電源状況(200V/3φなど)
※ 解体業者様は、写真だけでも十分査定できます。
6. ダイサー周辺機器・付属品の価値
ダイサーは 本体のほかに付属品の価値も高い装置 です。
● 価値がつきやすい周辺機器
- 真空ポンプ(Pfeiffer、ULVAC など)
- チラー(Suiden、ORION など)
- RF電源
- スピンドル関連パーツ
- ホルダー・アライメント治具
これらは単体でも中古需要があり、状態がよければ 付属品だけで数万円〜数十万円相当になるケース もあります。
7. 買取時の注意点(トラブル回避)
初心者が最もつまずきやすいポイントを整理します。
● ① 搬出費が装置価格を超えることがある
クリーンルーム内は 搬出ルールが厳しい ため、
- 養生
- 分解費
- クレーン
- 人員追加
などが必要になる場合があります。
● ② 故障状態を正確に伝える
「電源が入る」「切断はできるが精度が出ない」
など、概要だけでも伝えると査定のブレが少なくなります。
● ③ 付属品の有無が重要
ホルダーや治具の欠品により価格が大きく下がることがあります。
8. よくあるトラブル事例と回避策
● 事例①:搬出できない場所にあった
狭い通路・階段・低い天井で搬出不可というケース。
事前に搬出経路のサイズを測れば回避できます。
● 事例②:周辺機器が廃棄されていた
ダイシングソーは付属品の価値が高く、処分すると査定額が落ちます。
装置周辺のチラー・ポンプは必ず保管しておくことが重要。
● 事例③:解体業者が電線を切断
電線の誤切断で動作不能になるケースがあります。
撤去前に“電源OFF→取り外し手順”を相談するのが安全です。
9. ダイサー搬出・撤去の注意点
ダイサーの搬出では以下の点に注意が必要です。
● クリーンルーム規則
- 専用服装が必要
- 用具の持ち込み制限
- 粉塵対策
- 専用通路の使用
搬出会社によってはクリーンルーム作業に慣れていない場合があるため、
半導体装置に慣れた業者へ依頼するのが安全です。
● 狭い経路/階段/段差
- 装置サイズ
- 重量
- 解体の有無
などを事前チェックしておけばトラブルを避けられます。
10. 故障・古い装置でも売れる?(FAQ)
Q. 電源が入らないのですが売れますか?
A. パーツ取り目的で需要があります。
Q. 1990年代のダイシングソーでも売れますか?
A. 海外向けに需要があり、意外と値段がつくケースがあります。
Q. 大学・研究室仕様でも売れますか?
A. 研究用装置は使用時間が短いことが多く、むしろ人気です。
Q. 解体現場から出てきた古い装置でも査定できますか?
A. 銘板写真と全体写真があれば査定可能です。
11. 売却の流れ(初心者でも迷わない)
- 相談(写真を送るだけでOK)
- 概算査定(相場レンジを提示)
- 下見(必要に応じて現場確認)
- 契約(売却価格・搬出条件を確定)
- 搬出・撤去作業
- 入金(当日〜数日以内)
初めての方でも、写真を送るだけでほとんどの工程が進みます。
まずはお気軽にご相談ください。
ダイシングソーは専門性の高い装置ですが、
中古市場では「古くても価値が落ちにくい」優良装置です。
- 型式がわからない
- 故障していて動かない
- 周辺機器が散らばっている
- クリーンルームで搬出が難しい
といった相談も多く、初心者の方でも問題ありません。
まずは “銘板写真・全体写真” を送っていただければ、
相場レンジと売却の最適な方法をご提案します。