
溶解炉の売却を検討中の経営者さまへ
アルミ溶解炉・保持炉・非鉄金属用の溶解設備、そして鋳造工場で使用される重設備の整理を検討されていませんか?
設備更新、工場統合、事業再編、海外移転、鋳造ラインの縮小、鋳造事業からの撤退……。状況はさまざまですが、どの経営判断においても必ず課題となるのが、という点ではないでしょうか。
「この溶解炉、まだ価値があるのだろうか?」
「輸出できるのか? 海外で需要はあるのか?」
「老朽化しているが、それでも買い手は付くのか?」
「鋳造ライン丸ごと売れないか?」
「搬出コストの方が高いのでは?」
こうした疑問や不安を抱えている経営者の方に向けて、実務的な視点で“中古市場における溶解炉・保持炉の価値”を深掘りしたガイドを作成しました。
1. なぜ今、溶解炉・保持炉の中古市場が動いているのか?
近年、非鉄金属・アルミ鋳造業界を取り巻く環境が急速に変化しています。その結果、中古市場の需要も大きく変わってきました。
1-1. 国内鋳造業の縮小と設備余剰
- 労働力不足
- エネルギーコスト上昇
- 自動車産業の構造変化(EV化)
- 外注化の進行
- 古い鋳造工場の撤退や事業承継難
これにより、国内では溶解炉・保持炉の余剰が明確になりつつあります。
1-2. 一方で、海外では溶解炉不足が深刻
非鉄・アルミ加工が盛んな以下の地域では、溶解炉・保持炉の新規導入が追いついていません。
新品価格が高騰しているため、状態が多少悪くても「日本製の中古炉を導入したい」という企業は多く存在します。
特に以下のメーカーは海外評価が高めです。
- 海外:
2. 溶解炉・保持炉の種類別に見る“評価ポイント”
「うちの炉はどれぐらいの価値があるのか?」
その答えは、炉の種類・構造・容量・熱源・付帯設備によって大きく変わります。ここではそれらを体系的に整理します。
2-1. アルミ溶解炉(Melting Furnace)
アルミニウムを溶解する大型炉で、鋳造、圧延、ダイカストなど多様な業種で使用されています。
● 高く評価される仕様
海外では「大型・省エネ型・自動制御」が特に人気があります。
● 評価を落としやすい要素
- 炉内断熱材の劣化
- 煙突・排ガスダクトの腐食
- 自動制御装置の故障
- 温度ムラ・溶湯バラツキ
ただし、炉体そのものがしっかりしていれば海外では修理前提で購入されるケースも多くあります。
2-2. アルミ保持炉(Holding Furnace)
溶湯温度を安定的に維持するための炉で、ダイカスト・鋳造工場で多く使われています。
● 高く評価されるポイント
特にダイカストの海外工場では保持炉の中古需要が強く、状態がよければ単体でもよく売れます。
2-3. 非鉄金属溶解炉(銅・亜鉛・真鍮)
国内では衰退傾向がある一方、アジア圏では依然として高い需要があります。
特には海外で人気が高く、出力・コイル状態・電源設備の有無が価格に大きく影響します。
3. 業種別|どのような状況で溶解炉は売却されているのか?
3-1. アルミ鋳造工場
以下の理由で売却されるケースが多くなっています。
- EV化でエンジン部品の鋳造が減少
- 高齢工場の閉鎖
- 過剰設備の整理
- 焼付・溶解ラインの統合
売れやすい設備:
- アルミ溶解炉(大型)
- アルミ保持炉
- 溶湯移送装置
- 精錬装置
- 熱処理炉(T6処理ライン)
海外では「炉+保持炉セット」で探している企業が多い特徴があります。
3-2. 非鉄金属鋳造工場(銅・真鍮・亜鉛)
国内では事業縮小が進む一方、
- (真鍮部品)
- (亜鉛ダイカスト)
- (銅加工)
などで需要が急増しています。
誘導炉は海外中古市場でとても人気があります。
3-3. ダイカスト工場
ダイカストマシン本体だけでなく、溶解・保持設備もまとめて売却されるケースが増えています。
売却対象:
- 溶解炉
- 保持炉
- 浸漬ヒーター
- 自動給湯装置
- スキミング機
- トリムプレス
「ダイカストライン一式」での輸出案件が特に増えています。
4. 売却時に障害になりやすいポイント
4-1. 炉の重量・サイズによる搬出困難
- 10トン以上の溶解炉
- ピット埋設型
- 出口が狭い工場
- 大型トレーラーが入れない立地
搬出コストが高額になり、売却額を圧迫するケースがあります。
4-2. 排ガス規制・輸出規制
- 排ガス処理装置が不足
- 海外での環境規制に適合しないケース
- 一部の燃焼制御装置が輸出規制対象
国によっては追加改造が必要になるため、価格が調整される場合があります。
4-3. 付帯設備の欠品
- バーナー
- ブロワー
- 制御盤
- 脱ガス装置
- 温度記録計
- 給湯装置
溶解炉・保持炉は、日本国内よりも海外のほうが需要が高く、高額売却につながるケースが多い設備です。では、どの国で、どのようなタイプの炉が求められているのでしょうか。
溶解炉・保持炉を売却する際、「ここが確認されていないと査定が下がる」というポイントがあります。経営者が事前に把握しておくと、売却を有利に進められます。
売却を進める際、溶解炉・保持炉特有のトラブルやハードルが存在します。しかし、多くは事前に把握すれば回避できます。
売却を成功させる鍵は、次の買い手の「用途」を見極めた価格設計にあります。
どの用途の買い手が最も高く買うのか、最初に見極めることが重要です。
「この炉は輸出できるのだろうか?」
「搬出費用がいくらかかるのか不安…」
「付帯設備が揃っていないけど売れるのか?」
そんな疑問がある場合は、現地調査を行い、設備の価値・搬出難易度・海外需要の可能性などを総合的にお伝えします。
溶解炉・保持炉は、売却の判断が遅れるほど価値が下がる傾向があります。
ぜひ迷う前にご相談ください。