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プレス機でクラッチが滑る原因と対策

弊社は商社のため、故障に関する相談はお受けできませんが、 中古部品を探すことはできますので、お問合せ下さい。


クラッチが滑るとはどんな状態か

プレス機でクラッチが滑る状態とは、加圧時に本来伝わるべき力が十分に伝達されず、 プレス能力が低下してしまう症状を指します。

具体的には、負荷がかかると途中で止まる、設定トン数まで力が出ない、 以前は問題なく加工できていた金型で不良が出始める、といった形で現れます。

この状態が続くと、製品不良の増加や加工の不安定化につながるだけでなく、 無理な運転を続けた結果、ブレーキや他の駆動部にも悪影響を及ぼす可能性があります。 安全面・品質面の両方から見て、軽視できないトラブルです。


プレス機クラッチ不良の主な原因

機械的な原因

最も多い原因はクラッチ摩擦材の摩耗です。 摩擦材がすり減ると、クラッチが完全につながらず、 力が逃げるような状態になります。

また、クラッチ板の焼き付きや劣化が進むと、 一時的に効いても負荷がかかると滑る症状が出やすくなります。 油脂や粉塵が付着して摩擦力が低下しているケースも珍しくありません。

長年にわたって能力限界に近い条件で使用している場合、 過負荷運転が積み重なり、クラッチ部の劣化が一気に進行することがあります。

油圧・電気・制御的な原因

油圧式やエア式のクラッチでは、作動圧力不足が原因となることがあります。 圧力が規定値に達していないと、クラッチが完全に噛み合いません。

ソレノイドバルブや制御バルブの不良により、 作動タイミングが遅れたり、圧力が安定しないケースもあります。 この場合、操作上は正常に見えても、実際には力が伝わっていないことがあります。

さらに、クラッチとブレーキの連動不良があると、 切り替えが不完全になり、滑りや違和感として現れることがあります。

使用環境・経年劣化

高頻度・連続運転を行っているプレス機ほど、 クラッチへの負担は大きくなります。

設計上の能力を超える使い方が続いている場合、 クラッチ部が先に限界を迎えることもあります。 こうした状態は、定期点検や安全検査で指摘されやすいポイントでもあります。


クラッチが滑る場合の修理費の目安

クラッチ不良の修理費は、対応内容によって大きく異なります。

調整や軽整備で済む場合は、20万円〜50万円程度が目安になることもあります。 ただし、これは初期段階に限られるケースがほとんどです。

クラッチ摩擦材の交換になると、 50万円〜150万円程度かかることがあります。

さらに、クラッチユニット全体の修理や交換が必要になると、 200万円以上になるケースも珍しくありません。

安全基準への適合確認や再調整が必要になる場合、 想定以上に費用がかさみやすい点には注意が必要です。


現場で確認できる初期チェックポイント

まず、以前と比べてプレス能力が低下していないかを確認します。 同じ金型・同じ条件で加工しても、 加圧不足や途中停止が起きる場合は要注意です。

異音や異臭、過度な発熱がある場合は、 摩擦材の劣化や焼き付きが進行している可能性があります。

加工条件を一時的に軽くすると症状が出にくくなる場合でも、 根本的な解決にはなっていないことが多く、 無理に稼働を続けない判断が重要です。


修理をおすすめしにくいケース

修理をしても十分な能力回復が見込めない場合は、 費用対効果の面で慎重な判断が必要です。

また、クラッチ部品の供給がすでに終了している場合、 修理後の安定稼働に不安が残ります。

修理費が中古機の価値を超える場合や、 一度直しても再発リスクが高い状態が続いている場合は、 別の選択肢を検討すべき段階と言えます。


修理か売却・買い替えかを判断する考え方

プレス機において、能力が安定して出るかどうかは、 事業継続に直結する重要な要素です。

実際、クラッチ不良は売却相談が多い代表的な症状の一つです。 修理を重ねるよりも、 設備更新によって品質・安全性・生産性を一気に改善する選択をされる企業も少なくありません。

更新によって不良率が下がり、 結果的にコスト削減につながるケースもあります。


まとめ

プレス機でクラッチが滑る症状は、 能力低下や不良増加につながる重大なトラブルです。

修理費が想定以上にかかりやすく、 再発リスクも考慮する必要があります。

状況次第では、 修理に固執せず、 売却・買い替えを選択することが合理的な判断になる場合もあります。

トラブルをきっかけに「買い換え」へ踏み切るユーザーは非常に多いです。 もし買い替えをご検討される場合は、弊社買取センターまでお問合せください。