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長野県の切削加工業、牧野 D500 五軸MCを導入後に仕事が減少し設備見直しへ【買取事例】

稼働率が40%を下回る五軸マシニングセンタ

「牧野 D500を導入したものの、思ったほど使えていない」

「EV関連の仕事を見込んで投資したが、予定していた案件が続かなかった」

「まだ新しい設備なので、売却するにも踏ん切りがつかない」

そんな状況はありませんか?

EV化が進めば、減速機や関連部品の需要が増える。

数年前、そうした話を聞いて設備投資を決めた会社は少なくありません。

実際、自動車業界ではEVシフトを前提にした試作、量産準備、加工設備の増強が各地で進みました。

しかし、すべての会社がその波に乗れたわけではありません。

今回取り上げるのは、長野県で切削加工を行うC社が、EV減速機需要を見込んで牧野 D500を導入したものの、想定していた仕事が減少し、設備の見直しを迫られた事例です。

「EV関連の仕事を見込んで高精度機を入れたけど、思ったほど続かなかった」ってご相談、最近本当に多いんですよね。個人的には、稼働率が下がり始めた段階で、売る売らないは別にして、一回査定だけ取っておくのをオススメしてます。


買取のご相談は下記のリンクからお願いします。長野県の長野市、松本市、上田市、伊那市、佐久市など、どちらの地域でも買取させていただきます。


なぜ牧野 D500を導入し失敗したのか?

【注記】本記事の事例は、お客様の守秘義務保護のため、複数事例をもとに構成・脚色しています。実際の企業名・人物名・設備構成とは異なりますが、製造業で実際に起こり得る意思決定プロセスを再現しています。

C社は長野県中部にある切削加工会社です。

従業員は28名。

主な取引先は、自動車部品メーカーの二次請け、産業機械メーカー、精密機器関連の部品メーカーでした。

もともとはアルミ部品や治具部品、少量多品種の加工を得意としていました。

社長は二代目です。

先代から引き継いだ汎用機、立形マシニング、横形マシニングを使いながら、少しずつ設備を更新してきました。

そんなC社に転機が訪れたのは、主要取引先からEV関連部品の相談を受けたことでした。

「今後はEV向けの減速機部品が増える」

「高精度な加工ができる会社を探している」

「今のうちに設備を整えれば、量産前の試作から入り込める」

取引先の担当者からそう説明され、社長は大きな可能性を感じました。

当時、C社の既存設備では、精度面と加工時間に限界がありました。

段取り替えも多く、試作対応では何とかこなせても、量産に近いロットになると現場が苦しくなることが見えていました。

そこで候補に上がったのが牧野 D500でした。

D500は高精度加工を狙える立形マシニングセンタとして、C社のような精密加工会社にとって魅力的な設備でした。

ただし、導入は簡単な判断ではありませんでした。

本体価格、付帯設備、工具、治具、搬入据付、電源工事を含めると、設備投資額は約6,500万円。

C社にとっては大きな投資でした。

社長は銀行に事業計画を提出しました。

計画書には、EV減速機関連の試作案件、将来的な量産移行、既存加工の精度改善、外注加工の内製化が盛り込まれていました。

銀行からも「EV関連なら成長分野ですね」と前向きな反応がありました。

社内でも反対ばかりではありませんでした。

工場長は、古い設備では若手に魅力を感じてもらえないことを気にしていました。

新しい設備を入れれば、若手の教育にも使える。

高精度加工の実績ができれば、他の仕事にも展開できる。

そう考えていました。

社長は、D500の導入を単なる設備更新ではなく、会社の方向性を変える投資と位置づけました。

「EV時代の勝ち組になる」

当時の社長は、本気でそう考えていました。


五軸マシニングセンタへの期待と現実のギャップ

導入直後、D500は順調に稼働しました。

EV減速機関連の試作部品、アルミケース部品、治具部品などが入り、現場も新しい設備に期待していました。

初年度の稼働率はおおむね70%前後。

段取り時間は既存設備より短くなり、加工精度も安定しました。

特に、以前は外注に出していた高精度部品を内製化できたことは大きな成果でした。

しかし、問題は2年目に入ってからでした。

取引先から予定されていた量産案件の話が止まり始めました。

理由は一つではありません。

EV減速機部品の一部は、完成車メーカーや大手部品メーカー側で内製化が進みました。

さらに、別の部品は海外工場へ生産移管されました。

国内で試作した後、量産は海外へ持っていく。

C社が期待していた「試作から量産へ」という流れは、思ったほど続きませんでした。

D500の稼働率は徐々に下がりました。

導入から2年後には、月によっては40%を下回ることもありました。

社長が最も気にしたのは、機械が止まっている時間そのものではありません。

投資時に描いた売上計画との差です。

D500を導入した時点では、月に300万円から400万円程度の加工売上を見込んでいました。

しかし実際には、安定して入る仕事は月150万円前後。

繁忙期には埋まるものの、空く月も多い。

しかもEV関連の仕事は、見積競争も厳しくなっていました。

「成長分野だから利益が出る」と思っていた仕事が、実際には単価交渉の強い仕事でもあったのです。

工具費も想定より高くなりました。

高精度加工に対応するため、工具管理や測定にも手間がかかります。

電気代も上がりました。

保守費も無視できません。

新しい設備だから故障リスクは低いとはいえ、止められない設備として扱う以上、定期点検や周辺機器の維持費は必要です。

減価償却費も毎月の数字に重くのしかかりました。

会計上は計画通りでも、仕事が薄い状態で償却だけが進むと、社長には「設備が利益を生んでいない」という感覚が強くなっていきました。


売却判断を難しくした理由

D500の売却や入れ替えを考えることは、社長にとって簡単ではありませんでした。

理由の一つは、感情です。

この設備は、社長が次の時代を見据えて導入した象徴的な機械でした。

銀行にも、社員にも、取引先にも、EV関連で会社を伸ばすと説明していました。

それを2年で見直すということは、自分の判断が甘かったと認めるようにも感じられました。

工場長も悩んでいました。

現場から見れば、D500は良い設備でした。

精度は出る。

加工面もきれい。

若手も興味を持って操作を覚えていた。

古い機械を使い続けるより、会社にとって前向きな設備であることは間違いありませんでした。

しかし、良い機械であることと、会社に利益を残す設備であることは別です。

ここで社内議論が始まりました。


稼働率の問題

D500の稼働率は、導入当初の70%前後から、2年後には平均45%程度まで低下していました。

現場としては「空いた時間に別の仕事を入れればいい」と考えました。

しかし、既存顧客の仕事はD500でなければできないものばかりではありません。

むしろ、古い設備や別のマシニングで十分な仕事も多く、D500を無理に使うと加工単価が合わない場合もありました。


稼働率低下を招いた7つの要因

要因内容C社への影響
稼働率導入当初70%→2年後45%程度に低下減価償却負担に見合う稼働が確保できず
段取り時間少量多品種化で段取り替えが頻発実切削時間が伸びず生産性が低下
利益率量産想定の見積競争で単価が圧迫売上はあっても粗利が薄い案件が増加
銀行対応計画未達を報告しづらい心理的ハードル相談の先送りが資金繰り説明を難しくする
工場スペース好立地に設置したD500の稼働が低迷小型・汎用設備への入替ニーズと競合
人材高精度加工を任せられる人材が2名のみ教育時間が確保できず稼働率が伸びない
取引先事情内製化・海外移管で仕事の質が変化「需要増加」と「自社への発注」がイコールでないと判明

段取り時間の問題

D500は高精度加工には向いていましたが、C社の仕事は少量多品種が中心でした。

EV関連の見込み案件が消えると、残った仕事は単発品や短納期品が増えました。

その結果、段取り替えが頻繁になりました。

機械性能は高くても、段取り時間が増えれば、実際の切削時間は伸びません。

工場長は、日報を見ながらこう言いました。

「機械は空いていないように見えても、実際に削っている時間は少ないです」

この言葉が、社長にとって大きな気づきになりました。


利益率の問題

EV関連の仕事は、当初考えていたほど利益率が高くありませんでした。

試作段階では単価が取れても、量産を前提にした見積になると、取引先から厳しい価格を求められます。

さらに、量産が海外へ移る可能性があるため、長期的な回収も見込みにくい。

C社では、D500を使った仕事の粗利率を改めて確認しました。

すると、見た目の売上はあっても、工具費、検査工数、段取り時間を差し引くと、利益が薄い案件が少なくありませんでした。


銀行対応の問題

銀行への説明も悩みの種でした。

設備投資時には、EV関連の売上増加を前提に資金計画を組んでいました。

その後、計画未達が続いている状況で、設備を売却したいとは言い出しにくい。

社長は最初、銀行に相談することを避けていました。

しかし、顧問税理士からはこう言われました。

「使っていない設備を抱え続ける方が、資金繰り上は説明しにくくなります」

銀行が見ているのは、社長の面子ではありません。

返済原資があるか。

今後の事業計画に無理がないか。

設備をどう活用するのか。

この点でした。


工場スペースの問題

D500は、工場内でも良い場所に設置されていました。

搬入時にはレイアウトを変更し、周辺に工具棚や測定スペースも確保しました。

しかし稼働率が下がると、その場所が重く感じられるようになりました。

C社では別の小型設備を増やしたい話も出ていました。

短納期の治具部品や修理部品に対応するには、D500よりも小回りの利く設備の方が合う場面が増えていたのです。


人材不足の問題

D500を十分に使いこなせる人材も限られていました。

導入時には、若手を育てる計画がありました。

しかし、現場は日々の納期対応に追われ、教育に十分な時間を取れませんでした。

高精度加工を任せられるのは、結局ベテランの工場長と中堅社員の2名だけ。

そのうち中堅社員は、家庭の事情で残業が難しくなりました。

機械はあっても、人がいなければ稼働は伸びません。

C社はその現実にも向き合う必要がありました。


取引先事情の問題

最も大きかったのは、取引先の変化でした。

EV減速機の需要がなくなったわけではありません。

しかし、C社に流れてくる仕事の量と質が変わりました。

大手は内製化を進める。

量産は海外へ移す。

国内協力会社には、短納期の試作やスポット対応だけが残る。

C社が期待した「安定した量産仕事」は、最初から確約されたものではありませんでした。

社長は後になって、当時の判断をこう振り返りました。

「需要が増えることと、自社に仕事が来ることを同じように考えていました」

この違いに気づいた時、設備投資の前提は大きく崩れていました。


牧野 D500の価値を把握することから始めた

社内で議論を重ねても、すぐに売却という結論にはなりませんでした。

C社が最初に行ったのは、D500の現在価値を確認することでした。

売るかどうかを決める前に、今どの程度の資産価値があるのか。

市場でどのように評価されるのか。

その数字が分からなければ、判断できないからです。

設備を使い続ける場合も、売却する場合も、更新する場合も、現在価値の把握は避けて通れません。

使っていない設備がある場合は、早い段階で価値を確認しておくことで、選択肢を整理しやすくなります。

設備の現状把握や資産価値の確認はこちらから相談できます。


なぜ今、五軸MCの見直しを決断したのか

C社が最終的にD500の見直しを決めた理由は、「赤字だからすぐ売る」という単純なものではありませんでした。

むしろ、社長は最後まで使い続ける道を探していました。

新規営業もしました。

既存顧客にも、D500で対応できる高精度加工の提案をしました。

展示会で知り合った企業にも声をかけました。

しかし、新しい仕事はすぐには決まりません。

決まっても単発です。

一方で、返済、減価償却、保守費、電気代、スペース、人材配置の問題は毎月続きます。

ある月、社長は工場長と一緒に、D500の過去6か月分の稼働データを確認しました。

加工売上。

段取り時間。

停止時間。

見積提出件数。

受注件数。

工具費。

外注削減効果。

その数字を並べると、感覚ではなく現実が見えてきました。

「この設備を持ち続ける理由はある。でも、今の会社にとって最優先の設備ではなくなっている」

工場長の言葉でした。

社長も同じ考えになっていました。

D500は失敗した機械ではありません。

しかし、C社が当初描いたEV減速機向けの仕事とは合わなくなっていました。

設備の能力が悪いのではなく、投資の前提となった市場、取引先、社内体制が変わったのです。

最終的にC社は、D500を売却候補として整理する判断をしました。

売却益を借入返済の一部に充て、残りの資金で小型の汎用性ある設備と測定器を整備する計画に切り替えました。

銀行には、EV関連の計画未達を正直に説明しました。

そのうえで、今後は短納期の治具部品、産業機械部品、既存顧客の保全部品に注力する方針を伝えました。

銀行の反応は、社長が思っていたほど厳しいものではありませんでした。

むしろ、早い段階で設備を見直し、資金繰りと事業計画を修正したことを評価されました。


この事例から学べること

C社の事例は、EV投資だけの話ではありません。

成長分野に合わせて設備投資をすること自体は間違いではありません。

問題は、その需要が本当に自社に来るのか。

来たとして、どのくらい続くのか。

利益は残るのか。

人材は対応できるのか。

ここを十分に確認しないまま投資すると、設備だけが残ることがあります。

牧野 D500のような高精度設備は、使いこなせば大きな武器になります。

しかし、仕事、技術、人材、資金計画が揃わなければ、会社にとって重い固定資産になることもあります。

C社が苦しんだのは、機械の性能ではありません。

導入時に信じた前提が変わったことです。

EV減速機需要はある。

しかし、内製化が進む。

海外移管が進む。

国内協力会社にはスポット案件しか残らない。

この変化を受け止めるまでに時間がかかりました。

もう一つ学べるのは、売却判断は敗北ではないということです。

C社の社長は、最初はD500の売却を「投資の失敗」と感じていました。

しかし、数字を見直し、社内で話し合い、銀行にも説明したことで、考え方が変わりました。

売却は、過去を否定するためではありません。

今の会社に合った形へ資産を組み替えるための判断です。

使っていない設備を抱えたままにすることは、見た目には安全に見えます。

しかし実際には、資金、スペース、人材、管理工数を静かに使い続けます。

特に設備投資から2年、3年の段階では、まだ中古市場で評価される可能性があります。

判断を先送りするほど、選択肢は狭くなります。


まとめ

牧野 D500を導入したC社は、EV減速機ブームを信じて投資しました。

その判断には、当時なりの根拠がありました。

取引先からの情報もありました。

銀行も成長分野として見ていました。

現場にも期待がありました。

しかし、内製化、海外移管、人材不足、利益率低下が重なり、D500は半分以上遊ぶ設備になっていきました。

C社が行ったのは、感情だけで売る判断ではありません。

稼働率、段取り時間、利益率、減価償却、銀行対応、工場スペース、人材体制を一つずつ見直したうえで、設備の持ち方を変える判断でした。

大切なのは、売却することではありません。

判断を放置しないことです。

設備は、導入した時点では前向きな投資です。

しかし、事業環境が変われば、持ち続ける理由も変わります。

今の仕事に合っているのか。

今後の会社に必要なのか。

資産としてどの程度の価値があるのか。

そこを確認するだけでも、次の一手は見えやすくなります。

設備を売るかどうかを決める前に、現状を整理することが大切です。

稼働率、今後の案件、返済計画、工場スペース、設備の資産価値を確認すれば、使い続けるべきか、更新するべきか、売却を含めて考えるべきかが見えてきます。

「まだ新しいのに売るなんて、負けを認めるみたいで嫌だ」って本音では思われてる社長さん、多いんです。売却損は利益が出ている年度に計上した方が節税にもなりますし、損切りして次の設備に資金を回した方が結果的にプラスだと思います。そのあたりも含めて、一度気軽に相談してもらえたらなと思っています。


買取のご相談は下記のリンクからお願いします。長野県の長野市、松本市、上田市、諏訪市、岡谷市など、どちらの地域でも買取させていただきます。


編集長プロフィール

株式会社アスメディア 代表取締役 河野(編集長プロフィールはこちら)

2011年からリユース業界に携わり、現在は工作機械の買取査定・売却相談を担当。機械そのものの知識以上に、「いつ売るべきか」「どう売れば手取りを最大化できるか」という経営判断のサポートを強みとしています。NHKの朝のニュースや日経新聞朝刊でも紹介されたことがあり、中小企業の経営者向けに中古機械業界についての講演も行っています。

プライベートではひそかに運営しているバスケ関連のYouTubeチャンネルには30万回再生の動画もあります。最近は筋トレにも目覚め、スクワット・ベンチプレスに励んでいますが、記録の伸びには苦戦中です。

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