はじめに:「この機械、そろそろ手放すべきか?」と迷ったら
どの町工場にも1台や2台、心当たりのある機械があるはずです。「使ってはいるものの稼働率が下がってきた」「そろそろガタが来ていて、修理が必要かもしれない」。
そんな時、経営者の頭をよぎるのは、この二択ではないでしょうか。
- 「修理して使い続けるべきか?」
- 「いっそ売却してキャッシュに変えるべきか?」
この判断は、資金繰りに悩む製造業の工場にとって、極めて重要な経営判断です。間違った選択は、不必要なコスト増や機会損失につながりかねません。
弊社は機械買取の専門業者です。
その立場から、売却or修理の判断に役立つ5つの具体的なチェックポイントと、売却に踏み切るべき典型的なケースを明確な判断基準と共にご紹介します。
あなたの工場に眠る「迷える資産」を、会社の成長を加速させるための「活きた資金」に変えるヒントを掴んでください。
1. 【稼働率】1週間で動かした時間は?稼働実態から「戦力」を判断する
まずは、対象の設備が過去1週間(または1ヶ月)でどれだけ動いたかを客観的に振り返ってみてください。稼働実態を把握することは、その機械が本当に必要な「戦力」なのかを見極める上で最も基本的な情報となります。
- 稼働率50%未満 → 要注意ゾーン
- 週の半分も動いていない機械は、その設備への投資が最適かどうか再考が必要です。他の業務で代替できる可能性はありませんか?
- 稼働率20%未満 → 売却検討ライン
- ほとんど稼働していない状態です。単なる置物になっていませんか?特に「作業者が暇でもこの機械には触らない」「特定の顧客からのオーダーがない限り使わない」といった状況であれば、それはすでに“戦力外通告”に近い状態と認識すべきです。
判断基準: もし対象機械の稼働率が継続的に20%を下回るようであれば、その機械が将来的に会社に貢献する可能性は低いと判断し、売却を強く検討すべきです。
2. 【修理費用】修理コストと寿命のバランスは?「修理貧乏」に陥らないために
設備が故障した際、「直せばまだ使える」と考えがちですが、その修理にかかる費用と、修理後の期待寿命を冷静に比較することが重要です。
以下のような状況に心当たりはありませんか?
- 修理に数十万円以上かかるが、あと何年使えるか不明
- 高額な修理費を投じても、すぐにまた別の箇所が故障するリスクや、数年で寿命を迎える可能性があるなら、それは賢い投資とは言えません。
- そもそもメーカーが部品を供給していない
- 製造中止から年数が経過した機械の場合、修理に必要な部品が入手困難になることがあります。代替部品での修理は応急処置に過ぎず、再故障のリスクも高まります。
- 修理しても性能が期待できない、または修理後の再発が心配
- 老朽化が著しい機械は、修理しても本来の性能を取り戻せなかったり、同じ故障を繰り返したりする可能性があります。
判断基準: 修理にかかるコストが、その機械の現在の市場価値の半分を超えるようであれば、売却を第一選択肢にすべきです。また、修理後の期待寿命が3年未満の場合も、新たな機械への投資を検討する方が長期的には合理的です。
3. 【代替可能性】同じ加工が他の機械でできるか?効率的な設備配置を考える
あなたの工場に、同じような加工ができる機械が複数台ありませんか?「この機械じゃないと困る」という明確な理由がなければ、代替可能な機械で業務を吸収できるならば、売却して工場スペースを有効活用するのも賢い選択です。
- 同種の機械が2台以上ある
- 例えば、汎用旋盤が複数台あるが、実際の稼働は1台で十分な場合など、重複している設備は資産圧縮の大きなチャンスです。
- 汎用的な加工内容で、新機種や他の高機能機で対応可能
- 特定の機械でしかできない特殊な加工を除き、多くの加工は最新鋭の複合機や他の既存設備でより効率的に行える可能性があります。
判断基準: もし、対象機械が担う加工業務を、既存の他の機械で無理なく吸収できる、あるいはより効率的に実行できる代替手段があるならば、稼働率の低い方を売却し、工場全体の生産性を高めるべきです。
4. 【人材・技能】使える人材が限られていないか?「人」と「機械」のミスマッチを解消する
「この設備を扱えるのがベテラン1人だけ」「後継者が育っておらず、その人がいなくなると動かせなくなる」──製造業の現場でよく聞かれる悩みです。技術の属人化は、設備が「ブラックボックス化」し、結果的に使われなくなる「形だけの“稼働資産”」を生み出します。
- 技術の属人化 → 設備がブラックボックス化
- 操作方法やメンテナンス方法が特定の熟練工にしか分からないため、その人が不在になると設備が停止してしまうリスクがあります。
- 結果的に使われない → 形だけの“稼働資産”
- 技術継承が進まない設備は、宝の持ち腐れとなり、電気代やスペースの無駄遣いにもつながります。
判断基準: 特定のスキルを持つ社員しか操作できない、あるいは技術伝承が困難なために稼働機会が失われている設備は、早期の売却判断が重要です。人材育成コストと設備維持コストを比較し、合理的な選択をしましょう。
5. 【資金繰り】この設備が現金化できれば何に使えるか?会社の「今」を立て直す
最後に、最も重要な視点である資金繰りの観点から考えてみましょう。
- 修理しても業績改善に直結しない
- 修理しても、その機械が売上や利益に大きく貢献しないのであれば、それは単なるコストになります。
- 売却すれば、仕入れ資金や人件費、新規事業への投資に充てられる
- 売却によって得られた現金は、目の前の運転資金の確保、新しい高効率設備の導入、人材投資など、より緊急性の高い、または将来性のある用途に充てることができます。
- 不確実な未来より、確実な現金の方が価値がある
- 「いつか使うかもしれない」「置いておけば安心」といった漠然とした理由で維持するよりも、確実な現金に変えることで、資金繰り不安を解消し、次の戦略を立てる余裕が生まれます。
判断基準: もし、この設備の現金化が、目先の資金繰り問題(仕入れ資金不足、給与支払い、借入金の返済など)の解決に直接的に役立つ、あるいは会社の将来的な成長に資する新たな投資を可能にするのであれば、前向きに売却を検討すべきです。
売却すべき典型的な3パターン
上記のチェックポイントを踏まえ、特に売却を強く推奨する典型的なパターンは以下の通りです。
- 代替可能な古い機械が、工場内に複数台遊んでいる。
- 修理費が高騰しており、維持するほどの業績貢献や将来性が見込めない。
- 資金繰り改善のために、即座にまとまった現金が必要な状況である。
これらに1つでも当てはまるなら、査定・売却の検討は「今すぐ」始めても早すぎることはありません。
まとめ:迷ったら、まずは無料査定で価値を知ろう
「売るか修理か」──この難しい判断に悩んだときは、まず**“対象機械の客観的な市場価値を知る”**ことから始めてください。
- 査定は無料、匿名でもOK:多くの機械買取業者が無料で査定を行っており、気軽に相談できます。
- 価格を知ってからでも判断はできる:査定額を知ってから、改めて修理費用や維持コスト、そして資金繰りの状況を比較検討し、最終的な判断を下すことができます。
- 状況によっては、今が最高の売り時という可能性も:市場の需要は常に変動しています。思わぬ高値がつく可能性もありますので、価値が下がる前に一度査定に出してみることをお勧めします。
あなたの工場に眠る「迷える機械」が、会社の資金繰りを改善し、新たな一歩を踏み出すための強力な資産となるかもしれません。
▶ 設備の無料査定・ご相談はこちらからどうぞ!