「人手不足で仕事が回らない…」そのお悩み、”会社の閉め方”で解決しませんか?
【弊社実録】長野の山間部で奮闘した50代社長の「苦渋と英断」
先日、長野県の山間部で小規模な加工業を営んでいらっしゃったA社長(50代)から、ご相談をいただきました。従業員10名ほどの地域に根ざした老舗でしたが、近年は深刻な人手不足に悩まされていたそうです。
都会から遠い山間部という立地もあって、若い人材が全く来ませんでした。やっと採用しても、半年と持たずに辞めてしまう。ベテランは高齢化が進み、技術継承もままならない状況でした。
A社長の会社は、地方の中小企業が抱える現実を物語っていました。加工技術には自信があり、受注の見込みはあっても、**「人さえいれば仕事が取れるのに、人がいない」**というジレンマ。
徐々に売上は減少し、高額な工場家賃や機械のリース代といった固定費が重くのしかかるようになりました。
このままではじり貧になる――そう判断したA社長は、まだ50代と若かったにも関わらず、事業の継続を断念するという前向きな決断を下されたのです。
「まだ黒字だったのに?」──”破産ゼロ”を選んだ社長の賢明な判断
驚くことに、A社長が廃業を決意した時点では、まだギリギリ赤字には転落していなかったそうです。
- 機械リース支払いはほとんど終わりつつある
- 工場家賃も重く、交渉の余地がなかった
- 従業員の穴埋めに追われ、経営の立て直しに集中できなかった
A社長は冷静に状況を分析していました。このままズルズル続けていれば、数年以内に資金が尽き、借金だけが残ることは目に見えていたのでしょう。
まだ黒字のうちに辞める。
これは“逃げ”じゃなくて、“自ら選んだ未来”と言えるのではないでしょうか。
数百万円の売却益が救った!──「負債ゼロ」で再出発できた理由
A社長の賢明な判断が功を奏したのは、所有されていた機械が中古市場で高い評価を受けたことでした。
- 比較的新しい3軸マシニングセンタ
- ユーザの多い、OKKの高いマシニングセンタ
- 多くの工場で需要のある人気機種
これらの機械を売却することで、合計で数百万円のまとまった資金を得ることができました。
大きな利益にはならなかったけれど、負債ゼロで会社を畳むことができたのが一番大きかったそうです。おかげで破産せずに済んだし、心置きなく次のステップに進めたとのこと。
まさに、固定費が尽きて身動きが取れなくなる前に「資産」を現金化する。この迅速な行動が、“破産しない廃業”を可能にしたのです。
廃業後に掴んだ”第二の仕事”と穏やかな日常
現在、A社長は知り合いの工場で手伝いをされながら、穏やかな日々を送られています。
- これまでの経験を活かした現場作業に集中できる
- 経営者時代のように時間に追われず、心身ともに健康的な生活
- 収入は減っても、精神的な余裕がある
お金は経営者時代ほど多くないけれど、思い切って辞めてよかったと言っています。
経済的な安定だけでなく、精神的なゆとりを手に入れた充実感が感じられます。
【実践アドバイス】「無理に続けない」という選択を前向きにする3つの準備
地方の小規模工場が抱える「人材難」や「固定費リスク」は、今後もより深刻化していくと予想されています。「もう人が来ない」「これ以上続けても消耗するだけ」と感じているなら、無理に継続するのではなく、”無理に続けない”という決断も、最善策となり得ます。
そのために、早めに準備を始めましょう。
- 所有設備の棚卸しと価値査定を早めに実施する
- 価値のある機械は、相場が下がる前に売却を検討しましょう。
- 稼働していない設備を見直すだけでも、今後の経営について新たな気づきが得られます。
- 固定費(工場家賃・リース・ローンなど)の契約内容を事前に確認する
- 廃業時の違約金や、残りの契約期間、残債額などを正確に把握しておくことで、資金計画が立てやすくなります。
- 「自分の次の働き方」について具体的に考える
- 経営から降りても、培った技術や経験は大きな強みです。A社長のように現場で技術を活かす道や、顧問契約、外注業務など、セカンドキャリアの選択肢は意外と多いものです。
最後に──「終わらせ方」は、次の人生の「始め方」
無理に継続して借金が膨らんでからでは、打てる手も限られてしまいます。赤字になる前に、次の人生の準備を始めること。
A社長のように**「会社を守れなかった」と悔やむのではなく、「自分と家族の未来を守った」**という視点を持てば、廃業は決して後ろ向きなものではありません。むしろ、新しい人生を切り開くための、勇気ある前向きな決断なのです。
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