買取のプロが教える!中古機械を高く売る方法

工作機械、板金鍛圧機械を買取業者に売った経験はありますか?

仲間や友人に売ったり、メーカーに下取りに出した経験がある方は多いと思いますが、機械買取業者に売ったことがある方は意外と少ないのではないでしょうか?

そこで、このページでは、買取業者に売るときに、できるだけ高く売る方法をお伝えします。

査定前に必ず確認!チェックすべき5つのポイント

車を買取業者に売った経験がある方はいらっしゃいますか?機械も車の買取と似ている部分があります。もちろん違う部分もあります。ここでは車の買取を例に出しながら、機械の買取の特徴を説明していきます。

人気機種かどうか

車には人気車種と不人気車種がありますよね?例えば、日産キャラバンはトヨタハイエースよりも新車価格は高いですが、中古車相場だとハイエースよりも安くなってしまいます。中古市場になると価格が逆転する例はたくさんあります。

工作機械も人気機種と、不人気機種があります。同じ30番のマシニングセンターでも、ファナックとブラザーではファナックの方が買取価格が高かったりします。また需要と供給の関係で、供給過多な機械は安くなりがちです。

また工作機械はメーカーが数十社あるので、人気メーカーと不人気メーカーの差も激しいです。マザックやオークマのような大手メーカーは買取価格が高めです。理由はユーザーが多く、使い慣れている方が多いからです。

また同じメーカーでも、人気機種と不人気機種があります。たとえばOKKでは、VMシリーズとVPシリーズを比べると、VMシリーズの方が汎用性があり人気があります。ただしVM4やVM5のように中古流通量が多くなると業者の在庫も増えて価格が下がってしまいます。

また不人気機種(生産台数の少ない機種)は手に入りにくいため、長年探しているお客様もいます。業者もバックオーダーを持っているケースがあるので、あきらめないで買取業者を探すことも必要です。

高年式か、低年式か?

年式が新しいか、古いかで買取価格が変わってきます。全く同じ機種でも、1年違うだけで10%くらいは変わってきます。また9年前の機械と10年前の機械でも大きく印象は変わってきます。中古車でも10年以上前の車から急にか価格が安くなりますよね?

また機械の機種によっては古くても値が付くものがあります。汎用旋盤、汎用フライスなどは20年、30年前のものでも値が付きやすいです。

NC制御の機械は、20年以上前の機械になると、ほとんど国内では流通できないため極端に買取価格が安くなります。30年、40年前のNCでしたら、ほぼスクラップだと思ってよいでしょう。

加工液に水を使用する放電加工機、水溶性クーラントを使用する研削盤に関しては機械の寿命が短いため、10年以上経過していると、極端に買取価格が安くなります。

総運転時間は長いか短いか

自動車の走行距離に該当するものが、総運転時間です。古くても運転時間が短かったものは状態もよく、高値で売れる可能性がありますが、年式が新しくても運転時間が長いものは状態が悪くなります。運転時間が長いほど、機械の残された寿命は少ないと考えられますので、買取価格も安くなってしまいます。

また運転時間が長くなくても、夏の猛暑が機械の寿命を縮めるケースがあるようです。弊社の取引先でも暑い8月に3台のNCが同時に故障したケースがありました。特に気温が40度近くなると、NC装置(数値制御装置)の動作不良、冷却液や潤滑液の劣化、機械部品の故障が起こりやすくなりますので注意が必要です。

オプション、仕様、付属品はどうなっているか

機械買取の場合、オプションの有無によって多少価格が変わってきます。たとえばロボドリルであれば、クーラントがあるかないかで30万円くらい変わってくることもあります。またチャックが特殊だったり、心押台が無いなど独自の仕様だったりすると金額はマイナスとなったりします。

また工具などの付属品も「有り・無し」で大きく買取金額が違ってくる場合があります。ただ、業者によっては、オプション、付属品についてはあまり気にしないこともあるので、ケースバイケースとなります。

更に注意が必要なのは、生産ラインに入っている機械です。特殊な改造を施されてしまい、1台の機械として再販することが難しい場合は、買取自体出来なくなる場合があります。ただこれも状況に応じて対応が変わりますので、機械を下見してからの判断となります。

机上査定(簡易査定)について

動作確認の前に、メールなどで写真を送って、机上査定(簡易査定)金額が提示される場合がありますが、この金額についての考え方は、業者によって異なりますし、場合によっても変わってきます。

大きく分けると、上限金額で出す場合と、下限金額で出す場合があります。上限金額で出す場合は減点法の考え方をします。機械に問題がなければ100、機械に問題があれば10、20と減額していきます。また事前に提示された写真枚数や情報が少ない場合は、リスクを回避するために低めに提示する場合があります。

ただし、机上査定で低い金額を出してしまうと、その後の商談に発展しない可能性があるので、買取業者は上限金額で出してくると思っていた方が良いです。

こちらの記事は動画でも解説しております。

下見の前の準備で変わる!買取金額アップのための4つのポイント

年式や運転時間は、後からでは、どうにもならないものです。悪徳な中古車店のように、メーターを巻き戻すこともできません(笑)。そこで、今ある機械の価値をできるだけ高める、機械を少しでも高く売る方法について考えていきましょう。

バッテリー切れによるデータ消失を防いでおく

使わない機械だからと言って、電源を切りっぱなししておくと問題が生じます。NC旋盤やマシニングはデータバックアップ用にバッテリーを搭載していますが、バッテリー残量が少ない状態で何か月も機械の電源を切ったままにしておくと、サーボ原点などのデータが消失してしまい、再設定が必要になってきます。

またプログラムデータなどが消えると、メーカーに連絡して入れ直してもらう必要が出てきます。場合によっては機械が使えなくなることもあるため、買取価格も下がってしまいます。

また電源を入れていないと、潤滑システムが作動しないため、ボールねじやテーブル、サドル、コラム、主軸頭などが乾燥し劣化します。さらに錆や腐食が発生すると精度低下や故障の原因となるため、買取価格は大きく下がってしまいますので注意しましょう。

機械はできる限りキレイにしておく

油汚れや切粉などがある場合、できるだけ掃除をしておくと印象がよくなります。もちろん機械の性能に影響はありませんので、大きく査定額がアップすることはありませんが、あまりに汚れていると減額されることもあるので、できるだけ綺麗な状態にしておいた方が良いでしょう。

また機械の型番や年式が記載されている銘盤は非常に大事です。稀に、銘盤を外して別のところに保管している方がいますが、買取業者が来る前に元の場所に戻しておきましょう。査定の際に、銘盤は非常に重要視されます。また銘盤が油汚れや錆で読み取れないような場合は、文字が読めるように綺麗にしておきましょう。ちなみに、銘盤がない場合は買取できないこともあります。

購入したときの状態に近づける

私も何百社と訪問しておりますが、中にはマシニングセンターやNC旋盤のカバーやドアを外している工場があります。その状態で買取業者に見せると、あまりいい印象を持たれない可能性があるので、できるだけ元に戻しておきましょう。

またもし、保守契約に加入している場合は、費用の掛からない範囲でメンテナンスをしてもらってもよいでしょう。例えば、マザックの場合なら、アフターパッケージ契約に加入されていれば、定期部品交換も無料でおこなうことができます。

動作確認の際に注意したい5つのポイント

買取業者は、機械の買取前に必ず現物確認をおこないます。その際に、注意しておきたいポイントをご説明していきます。

動作確認では周囲を静かにしておく

忙しい工場の場合は難しいかもしれませんが、買取業者の下見の際はできるだけ落ち着いた環境を準備しましょう。買取業者が必ずチェックするポイントとして主軸の回転音があります。異音がないかどうか調べるのですが、周りで何台も機械を動かしていると、微妙な音を聞き逃してしまいます。

囲の音が異音と誤解されると機械の評価にマイナスの影響を与えます。また周囲の騒音がひどく、回転音がほとんど聞こえない場合は、リスク回避のため安めの金額を提示する可能性があります。そのため、できるだけ周囲を静かにしておく方が良いでしょう。

もし昼間に機械を停められない場合は、土曜日や夜間に下見を依頼してみましょう。多くの買取業者は対応してくれるはずです。

時間を十分に与える

買取業者が機械の動作確認を行う際は、時間をしっかり確保し、焦らせない環境を作ることが大切です。機械の動作確認は、表面的なチェックだけでなく、主軸の回転など細部にわたるチェックを必要とします。動作確認の時間が限られていると、十分な検査ができず、機械の性能や状態を正確に評価できない可能性があります。結果として、業者はリスクを織り込んで、買取価格を低く提示することがあります。

また、過去の修理履歴や機械の状態について、業者が詳細な質問をすることもあります。このやり取りを疎かにすると、機械の本来の価値を伝えられない場合もあります。時間的な余裕を持たせることで、業者に機械の強みや価値をしっかりと理解してもらい、より高い評価を得るための準備が整います。

機械に慣れたオペレーターを立ち会わせる

買取業者の下見の際は、その機械を日常的に使用しているオペレーターを立ち合わせましょう。なぜなら、オペレーターは機械の特性を熟知しており、機械のパフォーマンスについても詳しく説明できるからです。

操作に不慣れなスタッフスタッフが立ち合い、誤作動させたり、操作に困っている様子を見せると、買取業者は機械に問題があると誤解をしたり、故障しているのではないか?という疑念を持ってしまう可能性があります。

搬出路は片付けておく

搬出路や機械の周囲は片付けておきましょう。機械の位置から搬出口のシャッターまで移動させるのに、何も問題がないように印象を与えることが大事です。仮に手前の機械を何台か移動する必要がある場合、納品時はどのように作業したのかを説明してあげましょう。機械納品時の情報は大変参考になります。

また機械の周囲もゴミなども処分しておきましょう。ゴミや切粉が散乱していると、機械の扱いも乱暴だと推測されてしまうため、査定に悪い影響を与える可能性があります。

仕様書、付属品などは準備しておく

機械の仕様書や説明書などは事前に準備して、機械のそばに置いておきましょう。仕様書には、機械の詳細なスペックやオプション装備の情報、さらに正確な寸法や重量が記載されており、これらは業者が正確な買取価格を算出するための重要な資料となります。

また、機械に付属している工具や備品も事前に確認し、整理しておくことが大切です。これらの付属品は、機械の使用状態や保管状態を示す要素として、買取業者の信頼を得るために役立ちます。

買取業者との交渉で知っておきたい2つのポイント

ここまで、機械を査定してもらうまでに注意すべき点を挙げてきました。

ここまでで、自社の機械を高く売るためのアピールは済んでいるとします。その先は、機械買取業者から見積が出てくるのを待つ訳ですが、交渉によって更に買取金額をアップできる方法がありますので、紹介していきます。

ちょっと変わった相見積もりの方法

基本的なことなので、あえてここまで書きませんでしたが、相見積もりはしましょう。見積を依頼するのが1社だけですと、その価格が適正価格かどうか判断できませんので、少なくともプラス1社には相見積もりを取ってみましょう。

ここから先はちょっと変わった相見積もりのお薦めをします。買取価格が500万円を超えるような機械なら、遠方の地域の買取業者に査定依頼するのも有効です。例えば、愛知県にある会社が、東京の買取業者に査定を依頼してもよいかもしれません。ホームページを見て営業エリアが限定されていなければアプローチしてみましょう。ただし、古い機械や買取価格が100万以下の機械でしたら遠方の業者は敬遠するでしょう。

地域によっても中古機械の価格は多少違います。金型屋の多い地域でしたら、マシニングセンタの需要が高く、そのため高額での買取が期待できるかもしれません。逆に、同一機械が大量に中古市場に出回っている場合は、買取価格が下がる傾向があります。

また中古機械の場合は業者間取引も多く、近隣の買取業者だと情報を共有している可能性もあるので、同じような見積しか出てこない場合もあります。そのため、別の地域の買取業者に見積りを依頼してみるのもお薦めです。

複数の機械を査定してもらう

買取業者に査定を依頼する場合、1台だけより2台、3台とあった方が金額が弾む可能性があります。というのも、買取価格には、運送費が隠れているからです。つまり買取価格が100万円と提示されたとします。買取業者は、運送費は別途かかりませんと言いますが、実際には機械の価値が120万円で、20万円の運送費が引かれて買取価格が100万円という計算をしているのです。

そして、運送費は機械が1台だろうが2台だろうがあまり変わらなかったりします。10トントラックなら機械を2台積める可能性がありますので、もう1台機械を増やして2台売却すれば1台あたりの運送費は半分で済みます。

120万円の価値の機械を2台売る場合は、機械の価値240万円で、経費は同じ20万円だとした場合、220万円で買取できる可能性があるということです。実際は、トラックや作業員の数が増えて経費も増える場合もありますが、一般論としては台数が多い方が買取業者の経費節減となり、買取価格にはプラスになりやすいです。

まとめ

以上が、中古機械を高く売る方法ですが、いかがだったでしょうか?

査定の前に確認するポイントでは、どのような機械が高く売れる可能性があるのかを説明しました。また買取業者の下見の前には何を準備したらよいか、動作確認の際には何に注意したらよいかを説明しました。

全体を通して理解いただけたかと思いますが、買取業者は、欲しい機械(儲かる機械、回転率の高い機械)については、頑張って買取しようとします。

逆に、あまり欲しくない機械(儲からない機械、不良在庫になりやすい機械)については、売り手がいくら頑張っても金額は弾まないものです。

ただ、あまり売れない機械でも、珍しい機械にはバックオーダーが入っている場合もあるので、すぐに諦めてしまうのも勿体ないと思います。

弊社でも、工作機械から、板金・鍛圧機械まで買取しておりますので、ご不要な機械がありましたら下記からお問合せ頂ければ幸いです。

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