失敗事例から学ぶ設備投資 ⾦属加⼯業が買って後悔した機械10選

買わなきゃよかった・・・とならないために

設備投資、失敗したくないですよね?しかし、いろいろな⼯場を訪問してみると、まったく稼働していない機械って結構あります。

皆さん失敗談は恥ずかしいのであまり外で語りませんが、何千万もした機械が、まったく収益を⽣み出さなかったということもよくあります。

この記事を⾒れば、⾦属加⼯業の設備投資で陥りやすい10の罠を回避できます!これから紹介する事例を通して、あなたの⼯場も同じ過ちを避けましょう。

それでは、「⾦属加⼯業が買って後悔した機械」の1から10まで一気に見ていきます。


1.特定の取引先向けに購⼊した機械

概要

⼤⼿の取引先や親会社との契約を⾒込んで、⾼額な設備を導⼊したものの、契約が予想より早期に終了したり、受注が途絶えることで、その機械が使われなくなるケースです。ほかの仕事に使えず、⼯場の⽚隅で放置されてしまうことがあります。

事例:

弊社のお客様でも、得意先からの注⽂をあてにして、設備を導⼊したものの、契約が早々に終わってしまい、1年も経たずに機械の使い道が無くなったケースがありました。

他の仕事にも転⽤できず、⽀払いだけ残ってしまったという状況です。⻑期的な視点があれば、汎⽤性のある機械を選んだり、仕事を断るという選択ができたかもしれません。

2.操作できる⼈が限られる機械

概要

特定の技術者しか動かせない機械ってありませんか?その技術者が辞めたり、配置転換により機械を使える⼈がいなくなり、放置されている機械を時々⾒かけます。

事例:

横浜のあるメーカーでは、プラスチック製品開発のためにロボドリルを購⼊しました。しかしすぐにオペレーターが辞めてしまい、他に操作できる⼈がいないため、そのまま放置されていました。

新たにオペレーターを採⽤することもできず、わずか 3年で処分することになったそうです。もちろん投資した⾦額は回収できなかったそうです。

3.予備機として購⼊された機械

概要

メインの機械が壊れたときや、受注増加に備えて予備として購⼊した機械を購⼊するときにも注意が必要です。実際にはほとんど使われずに放置されているケースが多いです。

結局、メイン機械が問題なく動き続けたため、予備機が無駄になってしまいます。

事例:

障害が発⽣した時に備えて、予備機を購⼊した⾃動⾞部品関連の会社さんがありました。しかし、実際に稼働することはまったくありませんでした。

その後、不況になり⽀払も負担になってきたそうです。予備機を買ったときは会社にも余裕があったそうですが、状況が⼀変してしまいました。⾃動⾞業界が不況に陥るのは予想ができたことです。もう少し⻑期的な展望も必要だったかもしれません。

4.競合他社に影響されて購⼊した機械

概要

競合他社が新しい設備を導⼊したのを⾒て、特に⾃社のニーズを考えずに同じような設備を導⼊した結果、無駄な投資となるケースです。⾃社の状況やニーズを無視して、他社に追随したことが失敗の原因になりました。

事例:

ある⼯場では、「競合他社が新しい設備を⼊れたから」と焦って同じような設備を導⼊しました。

しかし、結果的に使いこなせずに放置されることになりました。

他社をマネするだけでなく、従業員の意⾒を聞いたり⾃社の状況や必要性をしっかり考えた上で投資を決めれるべきだったかもしれません。

5.急な仕事に対応するために購⼊された機械

概要

新製品を作るためや、急な注⽂に対応するために急いで機械を買ったものの、その後仕事が減ってしまい、機械が使われなくなったケースがあります。短期的な判断で決めてしまうとよくこのようなことが起こります。

事例:

東京のある会社では、製品需要が急に⾼まり、急いで機械を購⼊しましたが、機械が納品されたころには状況が変わってしまいました。

注⽂時に「これで⼤儲けできる」と期待しすぎて、冷静な判断ができなかったことが原因です。⻑期的な視野を持って投資を決めていれば、防げたかもしれません。

6.補助⾦ありきで購⼊された機械

概要

補助⾦をもらって機械を購⼊したものの、計画がうまく進まずに機械が使われなくなったケースです。補助⾦を当てにしすぎて、現実的な計画が⽴てられなかったことが原因です。

事例:

環境関連のある会社は、補助⾦を利⽤して機械を購⼊しましたが、必要な材料や部品が安定的に供給されなかったため、機械をフル稼働させることができず、プロジェクトを中断せざるを得なくなりました。

補助⾦を得ることに集中しすぎて、供給業者を確保しなかったことが原因だったそうです。計画を綿密に練っていれば、こうした失敗は防げたかもしれません。

7.営業マンの⼝⾞に乗せられて購⼊した機械

概要

商社の営業マンにうまく⾔いくるめられたり、強く勧められたりして、必要性をあまり考えずに機械を購⼊してしまったケースです。買ったはいいけど、結局あまり使わずに放置されることがあります。

事例:

⻑年付き合いのある商社の営業マンに強く勧められ、将来の仕事を⾒越して機械を購⼊しましたが、実際にはあまり使われず、放置されることになりました。営業マンのうまい話に乗ってしまい、冷静な判断ができなかったことが原因です。機械を購⼊する前に、他の選択肢や第三者の意⾒をしっかり確認していれば、防げたかもしれません。

8.安さにつられて買ってしまった機械

概要

費⽤を抑えるために、安価な設備を選んだものの、性能不⾜や頻繁な修理が必要になり、結果的に⻑期的なコストがかさんでしまうケースです。安さだけを重視してしまい、後々の⼿間やコストを考えなかったことが原因です。

事例:

「とにかく費⽤を抑えたい」という考えで、外国製の NC旋盤を購⼊した会社があります。しかし必要なスペックが⾜りず、また故障も多いため稼働時間が短くなってしまいました。

また、普段は⾼価な機械なのに、キャンペーンで⼤幅に割引されている場合も注意が必要です。お得だからと⾔って、⾃社に必要ない機械を買ってしまう場合があります。また訳アリで安くなっている場合もありますので注意が必要です。

9.オペレーターが扱えない、⾼性能すぎる機械

概要

新しい⾼度な設備を導⼊しても、オペレーターがその設備を⼗分に扱えない場合、設備の性能を最⼤限に活かせず、結果的に効率が低下してしまうことがあります。

事例:

「最新の五軸加⼯機を導⼊すれば、⽣産性が上がる」と考えて導⼊した会社があります。

しかしオペレーターがその設備をうまく扱えず、トラブルが頻発しました。⼗分なトレーニングもサポートもおこなわれなかったため、逆に⽣産効率が悪くなってしまったというケースがありました。

10.既存の設備との相性が悪い機械

概要

最新の⼯作機械を導⼊したものの、既存の設備や⽣産プロセスと適切に連携できず、運⽤に⽀障をきたしてしまうケースです。⾼機能な機械であっても、既存の⽣産ラインやシステムにうまく適合しない場合、期待していた⽣産効率の向上が実現できず、かえって全体の⽣産性が低下するリスクがあります。

事例:

ある⼯場では、最新の五軸加⼯機を導⼊しましたが、既存の⽣産ラインの速度に合わず、ボトルネックが発⽣し、結果として⽣産全体の効率が悪化してしまいました。

そのため⼤⾦をはたいて買った機械の稼働時間が減り、無駄な投資だったと社⻑は後悔しています。

まとめ

長くなりましたので最後に、今後の設備投資に向けて確認すべきことをまとめさせていただきます。

1. ⽬的と戦略の明確化をおこなう

  投資の⽬的を明確にし、⻑期的な視点で計画する。

2. 現場との適合性の確認をする

  現場の意⾒を取り⼊れる。既存設備との連携や運⽤コストも⾒積もる。

3. 効果とリスクの徹底検討をする

投資対効果(ROI)の計算と、市場動向とリスクの評価もおこなう。

以上3つです。

ご参考いただければ幸いです。


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