親会社や取引先から突然取引を打ち切られたらどうする?

約束が違うじゃないか・・・

零細の製造業が2社ありました。

1社目は、

親会社から「新しい製品を開発するので、専用の設備を揃えて欲しい。資金援助はするが自分でも資金は用意して欲しい。」と言われ、新しいNC旋盤を購入した。継続的に10年は安定して大きな受注が受けられ売り上げも2倍になると予想していました。

2社目は、

得意先から「新しい製品を量産するので、対応できる高機能の工作機械を導入してくれ」と言われました。導入すれば継続的に10年は発注します。自社でも計算したところ、この受注を受けると売上は2倍になることが予想されたので、無理をして1台2,000万円程度のマシニングセンタを購入しました。

1年で取引中止に・・・

このような2社がありましたが、高価な機械をそれぞれ購入したものの、1年で注文が打ち切られました。もちろん、損失は大きいです。

親会社、取引先に対し怒りも沸きますが、景気も悪いため仕方がないという気持ちもあります。

このような場合、どのように対処したらよいでしょうか?

以下に、いくつかの方策を考えてみました。


法律的対応策を考える

契約書の確認をする

親会社や得意先との契約書を精査し、契約違反がないか確認します。契約に「継続的な発注」や「10年間の安定した受注」が明記されている場合、法的な責任を問うことができる可能性があります。
契約に違反がある場合、弁護士に相談して、損害賠償の請求や交渉を検討します。

法的手続き

必要に応じて、法的手続き(訴訟や仲裁)を検討します。特に契約違反が明確な場合、法的手段を通じて損失を補填することを目指します。

財務的対応策を考える

損失の最小化

高価な設備の売却を検討します。中古市場での販売やリース会社への売却を考えることで、少しでも資金を回収することが可能です。

弊社でも、マシニングセンタ、NC旋盤の買取をおこなっております。

資金繰りの改善

金融機関に相談し、資金繰りの改善を図ります。特に、返済条件の見直しや新たな融資の可能性を探ります。

費用削減と効率化

経費削減や業務の効率化を図り、経営資源を有効に活用します。無駄なコストを削減し、利益率を向上させることで、財務状況を改善します。

経営的対応策を考える

リスク管理の強化

今後の取引においては、契約条件やリスク管理を強化します。発注が確実に継続される保証を契約に盛り込むなど、リスクを最小限に抑える措置を講じます。

新規顧客の開拓

依存していた顧客以外に新規顧客を開拓する努力をします。多様な顧客基盤を持つことで、特定の顧客に依存しない経営を目指します。

製品やサービスの多様化

既存の設備を活用して新しい製品やサービスを開発し、市場のニーズに対応します。多角化戦略を取り入れることで、収益源を増やします。

会計的対応策を考える

減価償却の見直し

高価な機械設備に対する減価償却方法を見直し、経営状況に応じて減価償却費を適切に計上します。これにより、税務上の利益を調整し、キャッシュフローを改善します。

税務的対応策を考える

税務優遇措置の活用

地方自治体や政府が提供する税務優遇措置(例えば、設備投資に対する税額控除など)を活用し、税負担を軽減します。

税務に相談する

税理士と協力して、節税対策や税務プランニングを行います。損失が発生している場合は、税務上の損失繰越し制度を利用し、将来の税負担を軽減します。

行政の支援プログラムを使う

事業再構築補助金

経済産業省が提供する事業再構築補助金を利用し、事業の再構築や新規事業の立ち上げを支援します。これにより、経営の多角化や新たな収益源の確保を目指します。

第3者に相談する

中小企業診断士の活用

中小企業診断士や経営コンサルタントからアドバイスを受けることで、経営改善やリスク管理の強化を図ります。政府や自治体が提供する無料または低額のコンサルティングサービスを利用することも有益です。

商工会議所の支援

商工会議所や商工組合連合会が提供する経営支援プログラムを活用します。これには、経営相談、ビジネスマッチング、販路開拓支援などが含まれます。

公的支援を活用する

補助金・助成金の活用

中小企業向けの補助金や助成金を活用します。新しい設備投資や技術開発、人材育成などに対する補助金がある場合、それを申請して財務負担を軽減します。

低利融資の活用

地方自治体や政府系金融機関が提供する低利融資を活用します。これにより、資金繰りを改善し、高価な設備購入による負担を軽減します。

以上は、問題が起こった後に、考えられる方策でした。


問題発生前にできること

問題が起こってからでは、遅いこともあります。

以下は、上級編になりますが、会社にリソースがある場合は試してみてもいいでしょう。

信用調査の実施

信用調査機関(帝国データバンク東京商工リサーチなど)を利用して、得意先の信用状況を調査します。帝国データバンクはある程度の規模の企業しか掲載されていませんが、東京商工リサーチは小規模な企業でも掲載されています。これにより、得意先の財務状況や経営状況を把握し、リスクを評価します。

市場調査の実施

製品市場の景気動向を調べましょう。新製品の市場に関する情報を収集します。業界レポートや市場分析レポート(矢野経済研究所富士経済など)を購入したり、公開されている統計データを活用します。

将来性の評価

市場の成長予測やトレンド分析を行い、製品の将来性を評価します。特に業界団体や専門誌のレポートを参考にします。

リスク管理の強化

リスクアセスメントの実施:新規投資や大規模な受注に対してリスクアセスメントを実施します。リスク評価の手法(SWOT分析、PEST分析など)を活用し、総合的なリスク評価を行います。

まとめ

零細製造業であっても、工夫次第で自社調査の能力を強化し、リスクを低減することが可能です。自社のリソースを最大限に活用しつつ、必要に応じて外部リソースを活用することが鍵となります。

最後に

取引先からの仕事が急遽中止となってしまった方は、中古市場での販売やリース会社への売却で、少しでも資金を回収することも検討してみてはいかがでしょうか?

弊社でも、マシニングセンタ、NC旋盤の買取をおこなっております。

詳しくは下記からお問合せ下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です